フリーターから正社員を目指すと決めたとき、最初につまずくのは「何から手をつけるか」です。新卒の就活は学校が日程を作ってくれますが、フリーターの就活は始める時期も応募ルートも自分で決める必要があります。求人サイトに登録したものの、職種を絞れないまま応募が止まっている人も少なくありません。

シフトを削れば収入が減り、削らなければ面接の日程が入らない。この板挟みも、フリーターの就活が動かなくなる原因のひとつです。

結論から言えば、求人を探す前に決めるのは、応募する職種と、選考に使える時間の2つです。この記事ではその決め方を3つの判断軸として整理し、アルバイトを続けながら4週間で選考を動かす手順まで示します。求人を探し始める前に読んでおくと、応募のやり直しが減ります。

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木村 誠

この記事の著者

木村 誠

人材紹介会社 営業マネージャー/転職の教科書 編集長

転職支援実績 1,500名以上

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フリーターの就活は「応募する職種」と「選考に使える時間」を先に決めるところから始まる

結論から言うと、フリーターの就活で最初に決めるのは求人ではなく、応募する職種と、選考のために空けられる時間の2つです。求人を探すのはその後です。

新卒の就活と並べると、進め方を変える必要がある理由が見えてきます。

項目新卒の就活フリーターの就活
始める時期学年で決まっている自分で決める(通年で募集がある)
応募ルート学校経由・就活サイトが中心求人サイト・ハローワーク・直接応募・エージェントから自分で選ぶ
選考の進み方数か月かけて段階的に進む応募から面接までが短く、日程調整の余地が小さい場合がある
見られる点学生時代の取り組みと将来性これまで何をしてきたかと、入社後にどの職種で働くか
並行させる数十数社を同時に進めるのが一般的数社に絞り、1社ごとの準備に時間を割く方が回りやすい
日程の融通授業の合間に入れられるシフトとぶつかるため、事前に空けておく必要がある

新卒の就活は、日程も応募先の母集団も外から用意されています。フリーターの就活はそこが空欄なので、先に自分で埋めた人から順に選考が進みます。逆に、この2つを決めないまま求人を眺め始めると、条件の良い求人を見つけるたびに志望職種が変わり、書類の準備が毎回ゼロからになります。

正社員を目指す全体の流れを先に押さえておきたい場合は、フリーターから正社員になるための全体像もあわせて確認してください。

フリーターの就活で最初に決める3つの判断軸

判断軸1|職種は「求人票に書かれている職種名」の単位で決める

「人と接する仕事がいい」「体を動かす仕事がいい」という決め方は、応募の段階では使えません。求人サイトの職種カテゴリをそのまま借りて、「法人向け営業」「一般事務」「施工管理」「介護職」のように、求人票に載っている粒度で1つか2つに絞ってください。

絞れたかどうかは、求人票を10件読んで確かめられます。見るのは給与ではなく応募条件の欄です。10件のうち応募条件を満たすものが何件あるかを数え、0件なら、その職種は今の時点では応募先を作れません。目安として3件以上あれば、そこを主戦場にして進められます。

職種を2つまでにする理由は、書類の使い回しが効く範囲がそこまでだからです。3つ以上に広げると、志望動機と自己PRを職種ごとに作り直すことになり、1社あたりの準備時間が足りなくなります。

判断軸2|平日の日中をどれだけ空けられるか

面接は平日の日中に設定されることが多く、書類選考の後に2回面接がある会社だと、移動を含めて半日単位の時間が2〜3回必要になります。応募する社数が増えれば、そのために空けておく枠も増えます。

シフトを埋めたまま「選考が決まったら相談する」という進め方だと、日程調整の段階で辞退になります。応募の前にやることは、週1日でよいので平日を固定で空けるシフト交渉です。理由を細かく伝える必要はありません。「この曜日は予定を入れたいので外してほしい」で足ります。次のシフト提出の前に伝えるのが、いちばん通りやすいタイミングです。

平日をまったく空けられない働き方をしている場合は、応募前に土曜面接やオンライン面接に対応しているかを問い合わせてください。求人票に書かれていなくても、採用担当者に確認できる項目です。

あわせて決めておきたいのが、選考の連絡をどう受けるかです。勤務中は電話に出られないため、留守番電話の応答設定を先に済ませ、応募書類の連絡先欄に折り返しできる時間帯を1行添えておくと、日程調整のやり直しが減ります。着信に気づかないまま数日経つと、面接枠が埋まってしまうこともあります。

判断軸3|応募ルートは2つまでに絞る

応募ルートは複数ありますが、全部を同時に使うと管理ができません。特徴を比べて2つに決めてください。

応募ルート向いている場面気をつける点
求人サイト職種と勤務地で絞って件数を見たい応募が簡単な分、条件を満たさない求人にも出してしまいやすい
ハローワーク通える範囲の求人を広く見たい/相談しながら進めたい求人票の情報量が限られることがあり、募集背景は窓口で確認する必要がある
企業への直接応募働きたい会社が決まっている選考の進み方が会社ごとに違い、日程が読みにくい
就職・転職エージェント書類の書き方から相談したい紹介される求人の幅は担当者によって変わる
アルバイト先の正社員登用今の職場の仕事を続けたい制度があっても実際の登用実績は職場ごとに違う

ルートを分けるときに気をつけたいのが重複応募です。同じ求人に別々のルートから応募すると、企業側で重複と判断されて両方が選考から外れることがあります。応募先は「会社名・応募ルート・応募日・次の連絡予定日」の4項目だけを1枚のメモか表に記録して、ルートごとに分けて管理してください。項目を増やすと続きません。

ルートの選び方をさらに詳しく比べたい場合はフリーター向けの就職サイトの選び方、今のアルバイト先で正社員を目指す道を検討しているならバイト先での正社員登用の見極め方が参考になります。

就活を始める前に持ちやすい3つの誤解

誤解1|「バイトを辞めてから集中した方が早く決まる」

時間が取れる方が有利に見えるため、先に辞めてから始めようと考える人は多いです。ただ、収入が止まると、選考の途中で条件を下げる判断になりやすくなります。加えて、辞めた時点から空白期間が伸びるため、面接で説明する項目が1つ増えます。

先に手をつけるのは、辞める交渉ではなくシフトを減らす交渉です。辞めるのは、入社日が決まってからで間に合います。退職の申し出については、勤務先の就業規則で予告の期間が決まっていることがあるため、内定が出た段階で確認しておくと調整しやすくなります。

誤解2|「応募数を増やせば、どこかは通る」

数を増やす前に確認したいのは、応募先の職種がそろっているかです。職種が散ると1社ごとの準備時間が削られ、どの会社にも同じ内容の書類を出すことになります。同じ職種でまとめて応募すれば、2社目以降は募集背景に触れる1〜2文を差し替えるだけで済みます。

誤解3|「面接ではフリーターだった理由を責められる」

聞かれ方は「なぜ今、正社員を選ぶのか」「入社後は何を続けたいか」に寄ります。過去の期間をどう正当化するかよりも、これからどう働くかの説明に準備の時間を使ってください。

フリーターの就活を4週間で動かす手順

1週目|職種を決めて、平日を空ける

  • 候補の職種で求人票を10件読み、応募条件を満たす件数を数える(1時間)
  • 職種を1つか2つに決める
  • 次のシフト提出の前に、平日を週1日空ける相談をする

2週目|書類の型を1本作り、3〜5社に応募する

  • 履歴書と職務経歴書の骨格を、職種ごとに1本だけ作る
  • 応募する職種に関係する業務を先に書き、関係の薄い勤務先は期間と店舗名だけにとどめる
  • 応募台帳(会社名・ルート・応募日・次の連絡予定日)を作る

3週目|面接を受けて、聞かれたことを記録する

  • 面接の直後に「答えに詰まった質問」を3行だけ書き残す
  • 同じ質問が2社で出たら、その答えを作り直す

4週目|どこで止まっているかを切り分ける

  • 書類で止まっているなら、職種の選び方か応募条件の読み方を見直す
  • 面接で止まっているなら、答えの中身を作り直す
  • 両方をまとめて直そうとすると、原因が分からなくなる

止まっている場所によって直す対象が違うため、この切り分けを先にしてください。書類が通らない状態で面接の練習を増やしても、通過する件数は変わりません。

面接までに用意しておく3つの答え

  1. 正社員を選ぶ理由:「安定した働き方をしたい」で止めず、どの職種で何を積み上げたいかまで言葉にする
  2. その職種を選んだ理由:アルバイトで担っていた役割と、応募先の仕事内容のつながりを1つ挙げる
  3. 掛け持ちや空白期間の説明:期間と、その間に続けていたことを事実として短く述べる

転職エージェントとして現場を10年見てきた立場から言えば、「何でもやります」と伝える応募者は、意欲の高さとは逆に評価されにくい場面があります。どの職種で何を積み上げたいかを先に決めている人の方が、選考は進みやすい傾向があります。3つの答えは、その意思表示をそのまま担う部分です。(転職の教科書 編集長・木村誠)

まとめ

フリーターの就活は、求人を探すことから始めるとやり直しが増えます。先に決めるのは、応募する職種と、選考に使える時間です。

  • 職種は求人票の職種名の単位で1〜2つに絞り、応募条件を満たす求人が10件中何件あるかで確かめる
  • 面接は平日日中に入るため、応募より先に週1日のシフト調整を済ませる
  • 応募ルートは2つまでに絞り、重複応募を避けるためにルートごとに応募先を分けて記録する
  • 止まっている場所(書類か面接か)を切り分けてから、直す対象を決める

すべてを一度に整えなくても、職種とシフトの2つが決まれば応募は動き始めます。


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Q

よくある質問

Q.就活中のアルバイトのシフトは、内定が出たらすぐ減らしてよいですか。
A.

入社日が確定してから減らす方が安全です。内定の承諾前にシフトを大きく減らすと、条件が合わず辞退した場合に収入が戻らなくなります。退職を申し出る時期については、勤務先の就業規則で予告の期間が決まっていることがあるため、内定が出た段階で確認してください。

Q.志望動機は応募先ごとに書き直す必要がありますか。
A.

応募する職種が同じであれば、骨格は共通で構いません。差し替えるのは、その会社の募集背景や事業内容に触れる1〜2文だけにすると、応募のたびに書き直す負担がなくなります。逆に職種が違う求人に出す場合は、骨格から作り直すことになります。

Q.就活を始める前に資格を取っておいた方がよいですか。
A.

応募する職種が決まる前の資格取得は、選考の材料になりにくい場合があります。求人票を10件読んで、応募条件の欄に同じ資格名が繰り返し出てくる場合に限って検討する順番が現実的です。資格の勉強で応募の開始が数か月遅れる方が、影響が大きくなることもあります。

Q.面接の日程が平日にどうしても取れない場合はどうすればよいですか。
A.

土曜の面接やオンライン面接に対応しているかを、応募する前に採用担当者へ問い合わせてください。求人票に書かれていなくても確認できる項目です。応募した後に日程が合わず辞退が続くと、同じ求人への再応募は難しくなる場合があります。