アルバイトを続けながら、「このままで将来どうなるのだろう」と調べた方に向けて書いています。

結論から言うと、フリーターの将来は年齢だけで決まるものではなく、時間が経てば自動的に変わる条件と、自分が動かさないかぎり変わらない条件のどちらに手をつけているかで変わっていきます。年齢や、応募できる求人の種類は、何もしなくても毎年動きます。一方で、時給の決まり方や任されている仕事の範囲は、働き方そのものを変えないと同じ場所にとどまりやすいです。

この記事では、いまの働き方のどこが積み上がっていてどこが止まっているのかを確かめる方法と、「将来」を紙に書ける項目まで分解する手順を整理しました。

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JAIC就職カレッジ
木村 誠

この記事の著者

木村 誠

人材紹介会社 営業マネージャー/転職の教科書 編集長

転職支援実績 1,500名以上

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フリーターの将来は「自動で変わる条件」と「動かさないと変わらない条件」で分かれる

将来を考えるときに見るべきなのは、アルバイトを続けた年数ではなく、その期間に何が積み上がったかです。

勤務年数そのものは、応募先から見ると評価の材料になりにくいです。見られるのは「その期間に何を任されるようになったか」で、ここは年数とは別に動きます。同じ職場で3年働いても、担当する業務が初月と変わっていなければ、応募書類に書ける内容は増えていません。逆に1年でも、発注やシフト作成、新人の指導を任されていれば、書ける内容は増えます。

つまり「将来が不安」という状態の多くは、年齢が上がっていることへの不安と、積み上がりが止まっていることへの不安が重なっています。前者は止められませんが、後者は確認して手を入れられます。この記事で扱うのは後者です。

人材紹介会社で転職エージェントとして10年目になる木村誠(転職の教科書 編集長)は、「フリーター期間の長さそのものより、その期間を自分の言葉で説明できるかどうかで選考の進み方が変わる傾向がある」と話しています。

フリーターの将来を見通すときに確認する3つのこと

漠然と将来を考えるかわりに、いまの働き方について3つだけ確認します。どれも今週のうちに確かめられる項目です。

確認1:半年前と比べて、任される仕事が増えているか

半年前の自分の1日の動きと、いまの1日の動きを並べます。開店準備とレジだけだったところに在庫の発注が加わっていれば、増えています。シフトの時間帯が変わっただけ、入る日数が増えただけの場合は、任される範囲は増えていません。

「増えていない」と分かった場合に取れる手は2つあります。いまの職場で担当範囲を増やせるか責任者に相談するか、範囲が増える見込みのある働き方に移るかです。どちらを選ぶかの材料は、確認2と確認3で揃います。

確認2:時給が上がった理由が、自分の役割か、最低賃金の改定か

直近1年で時給が上がった場合、その理由を確かめます。担当する範囲が増えたことによる昇給なのか、地域の最低賃金の改定に合わせた引き上げなのかで、持っている意味が変わります。

後者の場合、時給は上がっていても、職場で任されている役割は変わっていません。この区別が重要なのは、職場を移ったときに持ち出せるのは役割の側だけだからです。最低賃金に沿った時給は、どの職場でも同じように適用されます。一方で「発注を任されていた」「新人の指導をしていた」という役割は、次の応募先に説明できる材料として持ち出せます。

判断がつかない場合は、給与明細の支給項目を1年分並べ、上がったタイミングを見ます。同じ月に職場のほぼ全員が上がっていれば、改定に合わせた引き上げである可能性が高いです。

確認3:いまの職場を離れたとき、持ち出せるものが何か

いまの仕事を辞めたとして、次の応募先に説明できるものを書き出します。

次の応募先に持ち出せるもの持ち出しにくいもの
担当した業務の内容(発注・シフト作成・新人の指導・クレーム対応など)職場の中だけで通じる呼び方の役職
任された範囲と、任されていた期間常連客や同僚との関係
範囲を説明できる数(担当した売場の数、指導した人数など)「真面目に続けた」という職場内の評価
業務のために取った資格や受けた研修時給の金額そのもの

左の欄に3つ以上書けない場合、いまの働き方は「続いている」状態であって「積み上がっている」状態にはなっていません。これは本人の姿勢の問題ではなく、任される範囲が最初から決まっている職場では起きやすいことです。

働き方を変えない場合、5年後に変わるもの・変わらないもの

5年後を考えるときは、「自分が動かなくても変わること」と「動かないかぎり変わりにくいこと」を分けて並べます。

項目働き方を変えなくても変わる自分か職場が動かさないと変わりにくい
年齢変わる—
応募できる求人の種類未経験歓迎の求人が中心の層から、経験を問う求人が増える層へ移っていく—
時給最低賃金の改定に沿って動くことがある役割に紐づく部分
任される仕事の範囲—変わりにくい
応募書類に書ける業務内容—担当範囲が変わらなければ増えにくい
収入の決まり方—時間数で決まる構造のままなら変わりにくい
社会保険の加入状況—勤務条件が変わらなければ変わらない

左側の列は、自分の意思とは関係なく進みます。だからこそ、将来について考える時間は右側の列に使うほうが、手を動かせる項目にたどり着きやすくなります。

フリーターの将来について語られがちな3つの誤解

誤解1:将来のことは、貯められる金額だけ考えればいい

将来の話が金額に寄りやすいのは、数えられる項目がそこしかないからです。ただ、実際に動かしにくいのは金額ではなく、収入の決まり方です。

見るべきは残高ではなく、収入のうち「時間数に連動しない部分」があるかどうかです。役割に対する手当や固定の支給がまったくない場合、収入は自分の体調と予定にそのまま左右されます。ここが分かると、「貯金を増やす」という目標が、「時間数に連動しない収入の部分を作る」という別の目標に置き換わります。

誤解2:いま生活できているなら、同じように続けられる

いまのアルバイトで生活が回っているなら、その状態が続くと考えるのは自然です。ただその生活は、「いまの勤務先が今の規模で営業していること」「いまの時間帯にシフトに入れること」を前提にしています。

勤務先の閉店や縮小、人員の入れ替え、深夜や早朝のシフトに入れなくなること。これらは自分の意思とは別に起きます。前提のうちどれが崩れると生活が回らなくなるのかを1つだけ特定しておくと、そのときに何から動かすかを先に決めておけます。

誤解3:やりたいことが見つかってから動くべきだ

「やりたいことが決まっていないから、将来のことも決められない」と考える方は少なくありません。ただ、やりたいことから逆算する方法は、選択肢を見た経験が少ないうちは決めにくい進め方です。

逆の順番でも考えられます。これまでのアルバイトのうち、続けられたものと続かなかったものを並べ、その違いを書き出します。人と話す時間の長さ、作業の種類が毎日変わるかどうか、評価される基準が決まっているかどうか。この違いは、職種を選ぶときの条件として使えます。

木村誠は「『何でもやります』と伝える応募者は、意欲の高さとは逆に評価されにくい場面があります。どの職種で何を積み上げたいかを先に決めている人のほうが、選考は進みやすくなります」と話しています。

フリーターの将来を具体的な項目に分解する4つの手順

ステップ1:「何もしなかった場合の5年後」を3行だけ書き出す(15分)

紙に、5年後の年齢、5年後の時給、5年後に応募書類に書ける業務内容の3つを書きます。時給はいまの金額のまま書いて構いません。業務内容も、いまできることだけを書きます。

この3行が、働き方を変えなかった場合の将来です。ここに不満がなければ、いま急いで動く理由はありません。不満がある行が、手をつける場所になります。

ステップ2:給与明細の控除欄を確認する(10分)

直近の給与明細を1枚出し、控除欄に健康保険・厚生年金・雇用保険の項目があるかを見ます。

項目がない場合は、自分が加入の対象になるかを勤務先に確認します。シフトの時間数などの条件によって扱いが変わるため、自分の勤務条件で判断してもらう必要があります。これは調べれば答えが出る項目なので、分からないまま将来の不安に数えておく必要はありません。

ステップ3:いまの仕事内容を求人票の言葉に置き換える(30分)

自分の仕事を、職場で使っている言い方ではなく求人票で使われている言い方に置き換えます。「品出し」は在庫管理や陳列、「レジ」は接客や金銭管理、「新人に教えていた」は新人教育やOJTとして書かれていることがあります。

置き換えたうえで、その言葉が入っている求人を探します。「未経験歓迎」で検索するのではなく、置き換えた業務の言葉で検索するのが要点です。自分がしてきたことに近い求人が見つかれば、応募書類に書く内容もそこから決められます。見つからなければ、置き換えの言葉が実際の求人で使われている表現と合っていない可能性があります。

ステップ4:半年後に見直す項目を1つだけ決める(5分)

ステップ1で書いた3行のうち、半年後にもう一度確認する項目を1つ決めます。時給でも、書ける業務内容でも構いません。

1つに絞るのは、全部を同時に動かそうとすると、どれも手つかずで終わりやすいためです。半年後に同じ紙を見て、その行が変わっていなければ、いまの働き方のままでは動かない項目だと分かります。そこが、働き方を変えるかどうかの判断材料になります。

年齢との関係が気になる場合はフリーターの就職は何歳まで可能かを整理した記事、このまま続けた場合に何が分かれるのかはフリーターの末路が分かれる条件をまとめた記事、不安そのものの扱い方は就職の不安を切り分ける方法を解説した記事も参考になります。

まとめ

  • フリーターの将来は年齢だけで決まるものではなく、時間とともに自動的に変わる条件と、自分が動かさないと変わりにくい条件のどちらに手をつけるかで変わっていく
  • 確認するのは、半年前と比べて任される仕事が増えているか、時給が上がった理由は役割か改定か、職場を離れたときに持ち出せるものは何か、の3点
  • 収入は金額ではなく、「時間数に連動しない部分があるか」で見る
  • やりたいことから逆算できないときは、続けられたアルバイトと続かなかったアルバイトの違いから条件を作る
  • 「何もしなかった場合の5年後」を3行書き、半年後に見直す項目を1つ決める

将来の見通しを立てるには、いまの働き方で得られる条件と、ほかの選択肢の条件を並べて比べることが出発点になります。無料の診断ツールをお試しください。

Q

よくある質問

Q.フリーターを続けながら資格を取るのは、将来の役に立ちますか?
A.

役に立つかどうかは、資格そのものより、その資格を使う求人が実際にあるかで変わります。先に求人を検索し、応募条件の欄に資格名が書かれているかを確認してください。応募条件ではなく「あれば歓迎」の欄に書かれている場合は、資格だけで選考が進むとは考えにくいため、業務経験と組み合わせる前提で取るかどうかを決めることになります。

Q.アルバイト先から正社員にならないかと誘われました。どう判断すればよいですか?
A.

誘いを受けるかどうかの前に、三つ確認してください。一つ目は募集の背景で、増員なのか欠員の補充なのかです。二つ目は仕事の範囲が今と変わるのかどうかです。三つ目は労働条件通知書か雇用契約書を書面で受け取れるかです。口頭の説明だけで決めず、書面で勤務時間と賃金と業務内容を確認したうえで判断してください。

Q.親から将来のことを聞かれるのがつらいときは、どうすればよいですか?
A.

答えにくさの多くは、結論を聞かれていると感じることから来ます。結論ではなく、今確認している項目と、いつまでに何を決めるかの二点だけを伝える形にすると、話が続けやすくなります。決まっていないこと自体を説明する必要はありません。期限を自分で決めておくと、聞かれたときに同じ内容を繰り返して答えられます。

Q.将来のことを考える時間が取れません。何から削ればよいですか?
A.

時間を作るより、確認する項目を一つに絞るほうが進みます。給与明細の控除欄を見る、求人を五件だけ読む、といった十分以内で終わる作業を一つ決め、それが終わってから次を決めてください。まとまった時間を確保してから始めようとすると、着手が後ろにずれやすくなります。