フリーターから転職したいと考えて調べ始めると、「転職」と「就職」のどちらの言葉で探せばよいのか分からなくなることがあります。転職サイトを開けば職務経歴書の提出を求められ、就職サイトを見ると新卒向けの案内が並ぶ。自分がどちらの入口に立っているのかが見えないままだと、応募先を絞る前に手が止まります。

この記事では、フリーターの転職で最初に決めることを、応募枠・提出書類・経歴の申告という順番で整理します。どの求人に応募できるかは、求人票の一文を読めば判別できます。応募のたびに書き方を迷わないための基準を、先に作ってしまう方が早いです。まず結論からお伝えします。

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木村 誠

この記事の著者

木村 誠

人材紹介会社 営業マネージャー/転職の教科書 編集長

転職支援実績 1,500名以上

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結論:フリーターの転職は「中途採用枠」より「未経験歓迎枠」で動く方が選択肢が広い

結論から言うと、フリーターが応募先を探すときは、中途採用枠ではなく未経験歓迎枠・第二新卒枠を軸に据えた方が、応募できる求人の数が確保しやすくなります。

理由は募集条件の書き方にあります。中途採用枠の求人は「応募資格」欄に実務経験の年数や同職種での経験を条件として書いていることが多く、この条件に当てはまらない応募は書類の段階で選考の対象外になります。一方で未経験歓迎枠は、社会人経験を前提にしていないため、アルバイト経験をそのまま書いて応募できます。

「フリーター 転職」という言葉で探すと、正社員経験者向けに作られたサービスや求人に行き着きやすくなります。言葉が悪いわけではありません。ただ、同じ「転職」という表示の下に、応募資格の前提が違う2種類の求人が並んでいる、という構造を知っておくと、応募先の絞り込みで消耗しにくくなります。

判別のしかたは単純です。求人票の「応募資格」「必要な経験・スキル」の欄を、給与や勤務地より先に読んでください。

項目中途採用枠未経験歓迎枠・第二新卒枠
応募資格欄の書き方「実務経験3年以上」「同職種での経験必須」「未経験可」「社会人経験不問」「学歴不問」
求められる書類履歴書と職務経歴書履歴書のみの指定が多い
選考で見られる中心これまでの業務で出した成果入社後に何を担当したいか、続けられるか
アルバイト経験の扱い職務経験としては数えられないことがある業務内容として記入できる

フリーターから正社員を目指すときの全体像は、フリーターから正社員になるまでの流れで整理しています。応募枠の話は、その全体像のうち「どの求人に出すか」の部分にあたります。

フリーターの転職で最初に決める3つの判断軸

応募先を1件ずつ検討する前に、次の3つを決めておくと、求人を見るたびに判断が振れなくなります。

判断軸1:応募枠を「中途採用」と「未経験歓迎」のどちらに置くか

前章の判別方法で、応募したい求人がどちらの枠かを分けてください。そのうえで、最初のひと月はどちらか一方に絞ることをおすすめします。

両方に同時に出すと、職務経歴書を求められる応募と履歴書だけで足りる応募が混在し、書類の作り分けに時間が分散します。書類の型が固まる前に応募数を広げると、どの書き方で通ったのか、どの書き方で落ちたのかが後から追えなくなります。

転職の教科書 編集長の木村誠は、人材紹介会社で転職支援に携わって10年目になります。現場では、応募先の枠を決めずに求人を見続けている人ほど、応募開始までの期間が長くなる傾向があります。先に枠を決めてしまう方が、書類の1枚目が早く出来上がります。

判断軸2:職務経歴書を出すか、履歴書だけで足りるか

募集要項に書かれている提出書類を、そのまま確認してください。「履歴書」とだけ書かれている場合は、履歴書のみで出します。記載のない書類を足すより、指定された書類の中身を埋める方に時間を使った方が、選考の判断材料は揃いやすくなります。

職務経歴書の提出を求められた場合、アルバイト経験は次の3項目に分けて書くと、読み手が業務範囲を追えます。

  1. 勤務先の業種と規模(例:飲食店・客席40席、コンビニエンスストア・24時間営業)
  2. 担当した業務(例:レジ、発注、在庫管理、新人の教育)
  3. 在籍期間(開始年月と終了年月)

「接客」「販売」の一語で終わらせると、どの範囲まで任されていたのかが伝わりません。発注や締め作業、シフト作成を担当していた場合は、それを書いてください。任された範囲は、雇用形態とは別に読まれます。

応募から面接までの進め方全体は、フリーターの就活の進め方であわせて確認できます。

判断軸3:アルバイト経験を「転職回数」として数えるか

応募フォームに「転職回数」の入力欄があると、アルバイトの掛け持ちや店舗の異動を数に入れるべきか迷います。

数え方の定義は企業ごとに違います。迷った場合は、回数欄に数字を入れて説明を省くより、職歴欄にアルバイト先の社名・雇用形態・在籍期間を並べて書く方を優先してください。後から在籍期間の食い違いが出にくくなります。

職歴欄の空白を作らないことと、雇用形態を隠さないことは別の話です。隠そうとした箇所は、面接で在籍期間を尋ねられたときに説明が崩れやすい傾向があります。先に書いて、聞かれたときの答えを用意しておく方が、選考は安定して進みます。

フリーターの転職活動で持ちやすい3つの誤解

誤解1:転職エージェントはどこでも同じように使える

どのサービスも「転職支援」「キャリア相談」と書かれているため、登録先による違いは見えにくいです。実際には、登録の段階で正社員としての職務経歴と直近の年収を必須項目にしている設計のサービスと、社会人経験を問わない設計のサービスがあります。

見分ける方法があります。登録フォームを開いて、必須項目に「職務経歴」「直近の年収」が含まれているかを確認してください。含まれている場合、そのサービスは正社員経験者を主な対象にしています。登録自体はできても、紹介される求人が中途採用枠に寄ります。

どのサービスを使うかで迷っている場合は、フリーター向けの就職エージェントの選び方が参考になります。

誤解2:アルバイト経験は書いても評価されない

書類に書いても意味がないと考えて、職歴欄を数行で終わらせてしまうことがあります。応募先の職種が接客・販売・軽作業など、アルバイトで担当していた業務と近い場合、担当範囲は選考の判断材料になります。

読まれにくいのは経験そのものではなく、「何をしていたか」が書かれていない場合です。同じ3年の勤務でも、レジ業務だけを書いた書類と、発注・在庫管理・新人教育まで書いた書類では、読み手が想像できる範囲が変わります。

誤解3:「転職」という言葉を使うと経歴を大きく見せていることになる

アルバイトからの応募で「転職」と言ってよいのか、という迷いを持つ方がいます。呼び方そのものを気にする必要はありません。応募書類で問われるのは、雇用形態と在籍期間が実際の契約と一致しているかどうかです。

履歴書の職歴欄に「アルバイト」「パート」「契約社員」のいずれかを明記していれば、表記としての齟齬は生じません。逆に、雇用形態を書かずに社名と期間だけを並べると、正社員として在籍していたと読まれる余地が残ります。ここは書き方で防げる部分です。

在職中か離職済みかで変わる、経歴の伝え方

同じフリーターという状況でも、アルバイトを続けているか、すでに辞めているかで、書類と日程調整の進め方が変わります。

項目アルバイトを続けている場合すでに辞めている場合
職歴欄の書き方最後の行に「現在に至る」と書く退職年月まで書き、以降は空けない
面接日程シフト提出の締切前に候補日を出す平日日中を含めて候補日を出せる
準備しておく説明在職中に応募している理由退職から現在までに何をしていたか
入社可能日シフトの引き継ぎ期間を含めて答える内定後の最短日を答えられる

アルバイトを続けている場合、面接日程の調整でつまずきやすいのは、シフトが確定した後に面接の連絡が来る点です。応募を始める前に、勤務先のシフト提出の締切日を確認してください。締切の前に、面接に出られる曜日をいくつか押さえておくと、日程調整の往復が減ります。

すでに辞めている場合は、離職後の期間について、一行で説明できる形を用意しておいてください。資格の勉強、家族の事情、就職活動そのものなど、内容は問われても評価が決まる項目ではありません。答えを用意していないことが、説明の不安定さにつながります。

フリーターの転職を始める前に確認する項目

応募の1件目を出す前に、次の5項目を書き出してください。すべて、後から調べ直すと時間がかかるものです。

  1. 応募したい求人の「応募資格」欄に、実務経験の年数の指定があるか
  2. 募集要項で求められている提出書類は、履歴書のみか、職務経歴書も含むか
  3. これまでのアルバイト先の社名・開始年月・終了年月を、空白なく書き出せるか
  4. 書類に書く雇用形態の表記(アルバイト・パート・契約社員)が、実際の契約と一致しているか
  5. 同じ求人に、求人サイト経由とエージェント経由の両方で応募していないか

5番目は見落としやすい項目です。同じ求人に別々の経路から応募が届くと、企業側で重複と判断され、どちらの応募も選考から外れることがあります。応募先は経路ごとに分けて記録し、応募日と求人のタイトルを残しておいてください。

3番目の在籍期間は、給与明細やシフト表、雇用契約書から確認できます。記憶で書いた期間と、企業側が後から確認した期間が食い違うと、確認の連絡が発生します。手元に残っている書類から先に拾っておく方が、食い違いを防ぎやすくなります。

まとめ

フリーターの転職で最初に決めることは、次の3点です。

  • 応募枠を中途採用枠と未経験歓迎枠のどちらに置くか。求人票の「応募資格」欄で判別する
  • 提出書類は募集要項の指定どおりに揃える。職務経歴書を求められた場合は、業種・担当業務・在籍期間の3項目で書く
  • 雇用形態と在籍期間を隠さず書く。転職回数の欄で迷ったら、職歴欄に事実を並べる

どれも、応募を始めてから考えると手が止まる項目です。逆に、先に決めておけば、求人を見るたびに判断をやり直す手間が減ります。


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Q

よくある質問

Q.アルバイトを掛け持ちしていた期間は、履歴書の職歴欄にどう書けばよいですか。
A.

同じ時期に複数の勤務先があった場合は、勤務先ごとに行を分けて、それぞれの社名・雇用形態・在籍期間を書いてください。期間が重なっていても問題はありません。まとめて一行にすると、どの期間にどこで働いていたかが読み取れなくなります。主に勤務していた1社を上に置き、その下に併行していた勤務先を続けると読みやすくなります。

Q.数週間で辞めたアルバイトも職歴欄に書く必要がありますか。
A.

在籍していた事実がある期間は書いておく方が、後から確認の連絡が発生しにくくなります。短期間であることを理由に省くと、職歴欄の期間に空白が生まれ、その空白について尋ねられることになります。書いたうえで、短期間で終わった理由を一行で説明できる状態にしておく進め方が扱いやすいです。

Q.現在のアルバイト先に、転職活動をしていることを伝える必要はありますか。
A.

応募や選考の段階で伝える義務はありません。伝えるかどうかは、シフトの調整のしやすさで判断してください。面接の日程を確保するために平日の休みが必要な場合は、理由を言わずに休み希望を出す方法もあります。内定を受けて入社日が決まった段階では、引き継ぎの都合があるため、退職の意思を伝える必要が出てきます。

Q.面接で「これまで正社員にならなかった理由」を聞かれた場合、どう答えればよいですか。
A.

過去の選択を正当化する説明より、いつ、何をきっかけに考えが変わったかを時期とともに答える形が答えやすいです。事実の順序で話せる内容にしておくと、追加の質問が来ても説明が崩れにくくなります。当時の事情を否定的に語る必要はありません。

Q.求人サイトとエージェントは併用してもよいですか。
A.

併用は可能です。ただし同じ求人に両方の経路から応募が届くと、企業側で重複と判断され、どちらの応募も選考から外れることがあります。応募した求人のタイトル・企業名・応募日・応募経路を一覧で記録し、応募前に同じ求人が含まれていないかを確認してください。