職歴なしの状態で求人に応募しようとすると、職務経歴書の欄が埋まらないという問題にぶつかります。書く職歴がないのに職務経歴書を求められる、そもそも提出が必要なのかも分からない。そこで手が止まってしまう方は少なくありません。

この記事では、職歴なしの職務経歴書について、提出が必要かどうかの判断、選ぶ書式、書く内容のブロック構成、提出前の確認手順までを順に整理します。転職エージェントとして10年目、累計1,500名以上の転職支援に関わってきた中で見てきた、応募書類でつまずきやすい箇所を踏まえてまとめています。

結論から言うと、職務経歴書は「職務経歴」以外の欄で組み立てられる書類です。埋まらない欄を無理に膨らませる必要はありません。

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JAIC就職カレッジ
木村 誠

この記事の著者

木村 誠

人材紹介会社 営業マネージャー/転職の教科書 編集長

転職支援実績 1,500名以上

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結論:職歴なしの職務経歴書は「職務経歴以外の欄」で組み立てる

職務経歴書は、応募先がテンプレートを配布していない場合、どの欄を設けるかを応募者側が決めることになります。まず応募先の採用ページと求人票を確認し、様式の配布があるかを見てください。配布がなければ、欄の構成は自分で選べます。ここが職歴なしの場合の出発点になります。

よく使われる構成は、次の4つのブロックです。

  • 職務要約
  • 職務経歴
  • 活かせる経験・知識・スキル
  • 自己PR

職歴がない場合に埋まらないのは、2番目の「職務経歴」だけです。残りの3つは、アルバイト・インターン・学業・資格取得の過程から書けます。職務経歴の分量を増やそうとするより、他の3ブロックの精度を上げる方が、書類として読める形になります。

職務経歴の欄が1〜2行で終わってしまう場合は、欄の見出しを「職務経歴」から「職務経歴・経験」に変え、アルバイトや学内での活動を同じ欄に並べてください。見出しを変えずにアルバイトを職務経歴として書くと、雇用形態の記載が抜けていると受け取られることがあります。見出しを変えたうえで、各行の勤務先名の後ろに「(アルバイト)」と括弧で雇用形態を添える形にすると、どちらの疑義も残りません。

履歴書側の職歴欄の書き方は別の論点になるため、職歴なしの履歴書の書き方で扱っています。職務経歴書と履歴書で記載が食い違わないよう、両方を並べて確認してください。

そもそも職務経歴書は必要か——求人票の文言で判断する

提出の必要性は、自分の経歴の多さではなく、求人票の「応募書類」欄の文言で決まります。

求人票の記載判断補足
「履歴書」のみ提出しなくてよい添える場合は、履歴書の職歴欄と同じ内容を書き直すだけにならないようにする
「履歴書・職務経歴書」提出する職歴がなくても省略しない。欄を空欄のまま出さない
「応募書類一式」など曖昧な記載提出する不足を問い合わせられる側に回らないようにする
応募フォームに添付欄がある添付欄の数に合わせる欄が1つしかない場合の扱いは下記

応募フォームの添付欄が1つしかない場合は、履歴書と職務経歴書を1つのPDFにまとめ、1ページ目を履歴書にしてください。ファイル名は「応募書類_氏名」のように中身が分かる形にします。別々のファイルで提出するよう指定がある場合を除けば、ファイルが分かれていないことで問い合わせが発生するより、順番が決まっている方が扱いやすくなります。

求人票に職務経歴書の指定がない場合でも、応募職種に直接関係するアルバイト経験がある場合は添える判断もあります。接客の求人に接客のアルバイト経験で応募する、事務の求人に事務補助の経験で応募するといった場合です。関係のない経験を並べるだけになるなら、添えない方が履歴書が読まれます。

職歴がない場合に選ぶ書式——編年体・逆編年体・キャリア式

職務経歴書の並べ方には3つの型があります。職歴がない場合、どれを選ぶかで読み手が最初に見る情報が変わります。

書式並べ方向く状況職歴なしの場合の注意点
編年体古い順に並べる経験を積み上げてきた流れを見せたいとき年月の空白が最初に目に入る
逆編年体新しい順に並べる直近の経験が応募職種に近いとき直近が無就業だと冒頭が空く
キャリア式業務・職種別にまとめる複数のアルバイトで同じ種類の業務を担当したとき年月の情報が本文から消える

キャリア式を選んだ場合は、業務別の記載とは別に、冒頭か末尾に「◯年◯月〜◯年◯月 ◯◯店(アルバイト)」の形で年月の一覧を1行ずつ添えてください。業務別に並べ替えると年月が本文から消えるため、履歴書の職歴欄と突き合わせたときに記載が合っていないように見えることがあります。年月の一覧を添えておけば、この食い違いは起きません。

就労経験が一度もない場合は、3つの型のどれにも当てはまりません。この場合は「職務経歴」のブロックを置かず、「経験」「学業・活動」といった見出しに置き換えて、期間と担当した範囲を添えて書いてください。様式に「職歴なし」と1行だけ書いて終える形は避けてください。読む情報がない書類になり、面接で聞ける材料も残りません。

就職までの全体の流れから整理したい場合は、職歴なしから就職するまでの進め方も合わせて読んでください。

職歴なしの職務経歴書に書く4つのブロック

職務要約

3〜4行に収めます。入れるのは「どの仕事を」「どれくらいの期間」「どの範囲まで担当したか」の3点だけです。志望動機は履歴書側に書くため、ここには入れません。重複した内容が2枚の書類に並ぶと、どちらも読み飛ばされやすくなります。

就労経験が一度もない場合も、同じ3点の形で書けます。学業・研究・資格取得について、取り組んだ対象、期間、自分が担当した範囲を並べてください。

職務経歴(または経験)

1件につき、期間・勤務先・雇用形態・担当業務の4点を書きます。担当業務は、自分が実際に行った作業を動詞で書いてください。「接客業務全般」のようなまとめ方ではなく、「レジ、品出し、発注入力、閉店後の売上集計」のように作業名を並べる方が、次のブロックとつながります。

活かせる経験・知識・スキル

このブロックは、求人票から逆算して書きます。

求人票の「仕事内容」から動詞を抜き出してください。受付、電話対応、在庫管理、レジ締め、シフト作成、データ入力といった形です。抜き出した動詞のうち、自分が実際に行った作業と一致するものだけをこの欄に書きます。一致しないものは書かないでください。経験のない項目を並べると、面接で確認されたときに説明が続かなくなります。

一致する動詞が1つも見つからない場合は、応募職種の選び直しを検討する段階にあります。書類の書き方では埋まりません。

自己PR

職歴がない場合、自己PRに数値を入れられないことが多くなります。売上や件数を把握していない場合は、自分が確認できる単位に置き換えてください。1日あたりに対応した人数、同時に担当した業務の数、引き継ぎのときに任された範囲などです。推定した数値を書くと、面接で根拠を聞かれたときに答えられなくなります。

よくある誤解

「正社員経験がないから職務経歴書は書けない」

職務経歴書という名前から、正社員の経歴を書く書類だと受け取られやすい欄です。実際には雇用形態を問わない書類で、アルバイト・契約社員・派遣・業務委託・インターンはいずれも職務経歴として書けます。雇用形態を括弧で明記してあれば、経歴を実際より大きく見せたことにはなりません。

「履歴書より詳しく書いた方がよい」

職務経歴書は履歴書の詳細版という位置づけで説明されることが多く、長く書けばよいと受け取られがちです。実際に差が出るのは分量ではなく、応募職種との接点です。履歴書の職歴欄を文章に書き直しただけのものは、枚数が増えても読み手が得る情報は増えません。

「空白期間は書かない方がよい」

書かなければ触れられないと考えたくなる箇所ですが、書類で触れていない空白は、面接で最初の質問になりやすい傾向があります。職務経歴書の末尾に1〜2行で現在の状況を書いておくと、質問の順番を自分の側で選びやすくなります。

「決まった様式に従わないといけない」

職務経歴書は、応募先が様式を配布していなければ欄の構成を選べる書類です。ただし応募先がテンプレートを配布している場合は、そちらに従ってください。配布様式を使わず独自の構成で出すと、他の応募者と比較しにくい書類になります。

職歴なしの応募書類を仕上げる5つの手順

書く順番を変えるだけで、手が止まる箇所が減ります。

  1. 応募職種を1つに決める。 複数の職種に同じ職務経歴書を使い回すと、活かせる経験の欄が抽象的になります。
  2. 求人票の仕事内容から動詞を抜き出す。 この時点ではまだ自分の経験を見ません。求人側が何を求めているかだけを紙に書き出します。
  3. 自分が行った作業を書き出して照合する。 アルバイト・学業・活動を問わず、作業名で書き出し、2で抜き出した動詞と一致するものに印を付けます。
  4. 4つのブロックに割り振る。 一致した作業は「活かせる経験」へ、一致しなかった作業で説明したいものは自己PRへ回します。
  5. 履歴書と突き合わせる。 勤務先名の表記、年月、提出日、年号の統一(西暦か和暦か)を2枚で揃えます。表記のずれは、内容より先に目に留まります。

既卒として新卒枠と中途枠の両方を見ている場合は、応募枠によって求められる書類が変わります。枠ごとの進め方は既卒の就活の進め方で整理しています。

まとめ

職歴なしの職務経歴書は、埋まらない「職務経歴」欄を膨らませる作業ではなく、残りの3ブロックを求人票から逆算して組み立てる作業です。

  • 提出するかどうかは、自分の経歴の多さではなく求人票の文言で決める
  • 職務経歴欄が1〜2行で終わる場合は、見出しを変えて雇用形態を括弧で明記する
  • キャリア式を選ぶなら、年月の一覧を別に添えて履歴書との食い違いを防ぐ
  • 「活かせる経験」には、求人票の動詞と一致した作業だけを書く
  • 数値が出せない場合は、自分が確認できる単位に置き換える

書類の形が整うと、面接で何を聞かれるかも読みやすくなります。


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Q

よくある質問

Q.職務経歴書は手書きとパソコンのどちらで作るべきですか?
A.

応募先の指定がなければパソコンで作って構いません。履歴書を手書きにして職務経歴書だけパソコンで作る組み合わせも問題ありません。データで提出する場合は、ファイル名を「職務経歴書_氏名」のように中身と氏名が分かる形にしておくと、応募先で管理しやすくなります。

Q.職務経歴書に顔写真は必要ですか?
A.

必要ありません。顔写真は履歴書に貼るもので、職務経歴書には貼る欄を設けません。応募先が配布している様式に写真欄がある場合のみ、その指定に従ってください。

Q.アルバイト先が個人経営で正式な屋号が分からない場合は、どう書けばよいですか?
A.

給与明細や雇用契約書、源泉徴収票に記載されている名称を使ってください。手元の書類で確認できない場合は、店舗名のみを書き、その後ろに業種を括弧で添える形にします。推測した法人名を書かないでください。

Q.職務経歴書の日付は履歴書と揃えるべきですか?
A.

揃えてください。郵送なら投函日、持参するなら面接の日付で、2枚の書類の日付を同じにします。あわせて年号の表記も、西暦か和暦のどちらかに2枚で統一してください。

Q.アルバイトを辞めた理由は職務経歴書に書くべきですか?
A.

応募先の様式に退職理由の欄がなければ、書かなくて構いません。契約期間の満了や学業との兼ね合いのように一行で済む事実であれば添えても問題ありませんが、長い説明は書類に収まりにくいため面接で伝える方が整理しやすくなります。