専門学校を中途退学して、これから履歴書を書こうとしている人へ。大学中退の書き方を調べても、専門学校の場合に当てはまらない部分が残ります。学校名に設置者名が入る、学科名がそのまま職種を指している、取得途中の資格がある、学外での実習経験がある——この4つが、専門学校中退の履歴書で手が止まりやすいところです。

この記事では、学歴欄の表記を何の資料で確認するか、学科と応募先の分野がずれているときに何を先に書くか、資格欄と実習経験をどう切り分けるかを、確認する順番とあわせて整理します。

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木村 誠

この記事の著者

木村 誠

人材紹介会社 営業マネージャー/転職の教科書 編集長

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専門学校中退の履歴書は、学科名を書いた上で説明を用意する

結論から言うと、専門学校中退の履歴書では、学校名・学科名・在籍期間をすべて記載した上で、「その学科を選んだ理由」と「応募先でどう使うか」を1〜2文で用意しておく組み立てが扱いやすくなります。

専門学校の学科名は、それ自体が目指していた職種を示しています。調理、美容、医療事務、自動車整備、情報処理——学科名を読んだ時点で、採用担当者には「この人は別の仕事を目指していた」と伝わります。つまり、学科名を省いても疑問は消えません。学校名だけを書いて学科を空欄にすると、面接で学科の話から聞かれることになります。

先に書いて説明を用意しておく方が、受け答えは安定します。履歴書で触れずに済ませようとした部分ほど、面接で追及されたときに説明が崩れやすい傾向があります。

専門学校中退の履歴書で、学歴欄に書く3つの要素

学校名は「設置者名が入るか」を証明書で確認する

専門学校の名前は、通称と正式名称が違うことが少なくありません。パンフレットや校舎の看板に出ている名前が「○○カレッジ」でも、設置上の名称は「○○専門学校」であったり、頭に学校法人名が付いていたりします。

確認に使える資料は、次の順で探してください。

  1. 在学証明書・成績証明書(退学後でも発行に応じる学校があります。発行窓口に問い合わせる)
  2. 入学許可書・入学時の学則や学生便覧
  3. 学生証
  4. 学校の公式サイトの「学校概要」「設置者」「学校案内」のページ

学生証は略称で印字されている場合があるため、他の資料と突き合わせてください。記憶や検索結果だけで書くと、入社後の在籍確認で表記が合わず、確認のやり取りが追加で発生することがあります。

課程の区分は、推測せず証明書の文言に合わせる

在学証明書や成績証明書には、学科名とあわせて課程名が記載されていることがあります。自分が在籍していたのがどの課程だったかは、その記載で確認できます。同じ校舎で複数の課程を置いている学校もあるため、学校名だけでは判断できません。

課程によって、学歴欄に書く表記と、募集要項の応募資格に当てはまるかどうかの判定が変わります。推測で「専門学校卒業程度に当たるはずだ」と判断せず、証明書に書かれている課程名をそのまま学歴欄に写してください。応募資格の判定に迷う場合は、採用窓口に在籍期間の年月と課程名だけを伝えて、応募できるかを尋ねる方が早く済みます。学科の内容や退学理由を説明する必要はありません。

在籍が1年未満でも、入学年月と中途退学年月の両方を書く

在籍期間が数か月だった場合、「短いので書かない方がいいのではないか」と考える人がいます。ただし、書かないと高校卒業からその後までの年月がつながらず、その期間が空白として扱われます。短い在籍を書く方が、年月の説明は簡単になります。

専門学校で学んだ分野と応募先がずれているときの説明の組み立て

学科名と応募職種が離れているほど、「なぜその分野を選んで、なぜ離れたのか」が選考で聞かれる論点になります。ここは専門学校中退に固有の部分です。

分野の距離によって、聞かれることが変わる

応募先と学科の関係学歴欄・自己PRでの扱い聞かれやすいこと用意しておくもの
同じ分野(学科と同じ職種に応募)学科名に加えて、履修した科目・実習内容を自己PRに書く資格取得や修了まで続けなかった事情在籍中に手を動かした作業の内容と、今任せられる範囲
隣接する分野(例:医療事務の学科から一般事務職)学科名を書き、応募先の業務と重なる部分を1文で結ぶ学科の内容がどこまで使えるか重なる業務の名前(書類作成・受付対応・端末入力など)
まったく別の分野学科名は書くが、自己PRでは学科の内容に触れず、在籍中の行動(出席状況・課外活動・アルバイト)に寄せる方向を変えた理由と、今度は続くのかという懸念方向を変えた時期と、その後に実際に取った行動

分野が離れている場合に、学科の内容を無理に応募先と結びつけようとすると、説明が苦しくなります。離れていることを前提に、在籍中の行動の方に材料を置き換える方が、話は通りやすくなります。

「なぜ辞めたか」より先に、「なぜ選んだか」を書く

辞めた理由だけを用意していると、面接で「ではなぜその学科に入ったのか」と聞かれたときに答えが止まります。順番を逆にして、選んだ理由を1文、離れた理由を1文で書き、その2文の差として説明してください。

  • 1文目:入学した時点で何をやりたかったか(当時の事実だけを書く)
  • 2文目:在籍中に何がわかって、方向を変えたか(学校や教員を理由にしない)

「学校が合わなかった」「思っていた内容と違った」で止めると、応募先でも同じことが起きるのではないかという懸念に変わります。在籍中にわかった内容を具体的に書く方が、2文がつながります。

取得途中だった資格は、専門学校中退の履歴書にどう書くか

専門学校は資格取得を目標に置く学科が多く、中退した時点で「あと一歩だった」資格があることがあります。ここは書き方を誤ると経歴の誤認につながるため、判断の基準を単純にしておきます。

資格欄に書けるのは、証明書で確認できるものだけ

資格欄に書けるのは、合格・取得・付与の事実を合格通知や証明書で確認できるものだけです。確認が取れないものは書きません。

資格の状態資格欄に書くか書く場合の形
在学中に受験して合格した書く正式名称と取得年月
受験したが結果が出ていない書かない面接で聞かれたら口頭で伝える
受験を申し込み、受験日と発表日が決まっている書ける「○○(令和○年○月受験予定)」と試験の時期を添える
勉強中で受験の申し込みをしていない書かない自己PR欄に「学習中」として書く
学科の修了や卒業が付与の条件になっている書かない付与の有無を学校の証明書発行窓口で確認する

「専門士」などの称号を資格欄に書くかどうかは、自分に付与されているかどうかを在籍していた学校の証明書発行窓口で確認してから決めてください。確認が取れないものを「取得見込み」と書くと、入社後の書類確認で食い違いが出ます。

発表日が入社予定日より後になる試験については、その時期を面接の段階で伝えておく方が、入社後の手続きが滞りにくくなります。

専門学校の実習経験は、職歴欄に書けるのか

専門学校には、学外の施設・店舗・企業で行う実習が組まれている学科があります。この経験をどの欄に書くかは、雇用契約があったかどうかで分かれます。

実習の形態雇用契約書く欄確認に使う資料
実習先から給与が支払われていた(アルバイト扱いを含む)ある職歴欄(勤務先名・期間と、括弧で雇用形態)雇用契約書・給与明細・源泉徴収票
学校のカリキュラムとして行った無給の実習ない学歴欄の下の補足、または自己PR欄実習記録・成績証明書の科目名
校内の演習・実技の授業ない自己PR欄(授業で扱った内容として)成績証明書・授業計画

判定は記憶ではなく資料で行ってください。給与明細か源泉徴収票が手元にあるか、実習期間に振込があったかを通帳で確認すると、迷いが残りません。無給の実習を職歴欄に書くと、雇用されていた期間として読まれ、在籍確認の段階で食い違いが出ます。

雇用契約のある職歴がない状態で、どの経験をどの欄に振り分けるかという問題は、専門学校中退に限らず共通します。職歴なしの場合の履歴書の書き方もあわせて確認してください。

よくある誤解

誤解1:専門学校中退は、大学中退より説明が難しい

専門学校は学科が職種に直結しているため、方向転換の説明が重くなると考えられがちです。ただし、増えるのは説明の量ではなく、説明する順番の問題です。学科名から目指していた職種が伝わる分、「なぜ選んだか」から話を始められます。学部名から志望職種が読み取りにくい大学中退より、選んだ理由を具体的に話しやすい場面もあります。

誤解2:学科と違う職種に応募するなら、学科名は書かない方がいい

学科名を省いても、学校名から分野が読み取られることがあります。学歴欄の記載が不完全だと、提出後に確認の連絡が入ることもあります。書いた上で応募先との関係を1文で結ぶ方が、やり取りは短く済みます。

誤解3:在籍が短いと、学歴欄に書く価値がない

評価の材料になるかどうかとは別に、年月をつなげるという役割があります。書かないと、高校卒業からの期間に説明のつかない空白が生まれます。在籍期間の長短より、年月が途切れていないかを先に確認される場面が多いです。

専門学校中退の履歴書を出す前に確認する5つの手順

  1. 在学証明書または成績証明書を取り寄せ、学校名・課程名・学科名の表記をそのまま写す(退学後の発行可否は、退学した学校の窓口に問い合わせる)
  2. 入学年月と中途退学年月を、証明書または退学届の控えで確認する
  3. 資格欄に書いた項目それぞれについて、合格通知または証明書が手元にあるかを1件ずつ確認する
  4. 学外実習について、給与明細・源泉徴収票の有無で職歴欄か自己PR欄かを振り分ける
  5. 「学科を選んだ理由」1文と「方向を変えた理由」1文を書き出し、声に出して読んで、2文の間に飛びがないかを確認する

提出前に、学歴欄の年月だけを縦に読んでみてください。高校入学から現在までで、空いている期間を自分の言葉で説明できるかを見ます。説明できない月が残っている場合は、その期間に何をしていたかを自己PR欄に1文入れておくと、面接で最初に聞かれる内容が変わることがあります。

学歴欄の基本的な表記ルールは大学中退の履歴書の書き方で、書類を通した後の進め方を含む就職活動全体の流れは専門学校中退からの就職の進め方で整理しています。

まとめ

専門学校中退の履歴書は、学校名・課程名・学科名・在籍期間を証明書の文言どおりに写すところから始まります。学科名が目指していた職種を示してしまうため、省いて通り過ぎることはできません。書いた上で、「選んだ理由」と「離れた理由」を2文に分けて用意しておく方が、面接での説明は安定します。

資格欄は「確認できるものだけ」に絞り、修了が条件になっている称号は学校の窓口で付与の有無を確かめてください。学外実習は、給与の支払いがあったかどうかで職歴欄と自己PR欄に振り分けます。この3点を資料で決めておくと、書類の段階で残る不確かな記載がほとんどなくなります。

転職エージェントとして求職者の書類を見てきた中で、記載の不足そのものより、記載と説明がかみ合っていない方が選考で問題になりやすい傾向があります。学歴欄に書いた事実と、面接で話す理由を、同じ資料から組み立ててください。


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Q

よくある質問

Q.退学した専門学校の在学証明書や成績証明書は、退学後でも発行してもらえますか?
A.

発行の可否と発行できる書類の種類は学校ごとに異なります。退学した学校の教務課または証明書発行窓口に、氏名と在籍していた学科・退学年月を伝えて、発行できる書類と手数料、郵送に対応しているかを確認してください。在籍期間を示す書類が発行できない場合は、退学届の控えや入学許可書など手元に残っている書類で年月を確認します。

Q.専門学校を中退した後に別の学校へ入り直した場合、学歴欄には両方書きますか?
A.

在籍した学校はいずれも入学年月と退学または卒業の年月とあわせて記載します。中退した学校を省くと、その期間が空白になり、年月のつながりを説明できなくなります。入り直した経緯は履歴書に長く書かず、面接で聞かれたときに答えられるよう整理しておく形で足ります。

Q.履歴書の学歴・職歴欄の行数が足りないときはどうすればよいですか?
A.

まず行数の多い様式に差し替えることを検討してください。市販の履歴書には学歴・職歴欄の行数が異なる様式があります。応募先から様式を指定されている場合は、その様式のまま学歴を高校入学以降に絞って記載し、省いた在籍期間が残っていないかを確認します。

Q.専門学校を中退したことは、履歴書以外の提出書類でも確認されますか?
A.

入社手続きの段階で、学歴に関する書類の提出を求められる場合があります。求められる書類は企業ごとに異なるため、内定後に案内される提出書類の一覧を確認してください。履歴書の記載と手元の証明書の表記をあらかじめ揃えておくと、提出の段階で差し替えが起きにくくなります。