書類選考が通らない状態が続くと、まず履歴書の書き方を疑いたくなります。ただ、同じ書類を10社に出して落ちた場合と、1社ごとに内容を変えて10社落ちた場合では、次に直す場所が違います。前者は書類を直す前に応募先の選び方を見る段階で、後者は書類の中身を見る段階です。
この記事では、書類選考が通らないときに確認する順番を、応募条件・提出形式・書類の中身の3つの層に分けて整理します。応募履歴を見返すだけで判断できるところから始めるため、直近の応募先の一覧が手元にあると進めやすくなります。
結論:書類選考が通らない原因は3つの層に分かれる
結論から言うと、見直す順番は「応募条件とのずれ」「提出形式」「書類の中身」です。この順にする理由は、前の2つで外れている応募は、書類の中身をどれだけ書き直しても選考の対象に入らないためです。
| 層 | 現れ方 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 応募条件とのずれ | 短い日数で定型文の不通過連絡が届く応募が多い | 求人票の応募資格のうち、事実で決まる条件を満たしているか |
| 提出形式 | 連絡が来ないまま終わる応募が多い | 添付ファイルが開けるか、応募フォームに空欄がないか |
| 書類の中身 | 条件は満たし連絡も届くが通過しない | 応募職種に関係する作業が書いてあるか、1社ごとに変えた欄があるか |
転職の教科書 編集長の木村誠(人材紹介会社の営業マネージャー/転職エージェントとして10年目)によると、不通過が続いているという相談で最初に出てくるのは書類の表現の話ですが、応募履歴を一覧にしてみると、条件面で外れていた応募が混ざっている場合が少なくありません。表現を直す作業には時間がかかるため、順番を取り違えると手戻りが大きくなります。
書類選考が通らないときに切り分ける3つの判断軸
判断軸1:応募資格を「書き方で埋まる条件」と「埋まらない条件」に分ける
求人票の「応募資格」「必須条件」の行を、2種類に分けます。
- 事実で決まる条件:卒業区分、免許・資格、勤務地、勤務できる時間帯、「要〇〇経験1年以上」のような経験年数
- 説明で伝わる条件:「接客経験」「基本的なPC操作」「チームでの作業経験」のように、何をしてきたかの説明で判断される条件
「普通自動車免許(AT限定可)」「要実務経験2年以上」のような行は前者です。ここで外れている応募は、書類の表現を変えても結果は動きません。落ちた求人を並べてみて、前者で外れていたものが大半なら、直すのは書類ではなく求人の絞り込み方です。
この仕分けをするときに、あわせて見るのが「必須」と「歓迎」の行の分かれ目です。求人票では応募資格が必須条件と歓迎条件に分けて書かれていることがあり、歓迎条件は満たしていなくても応募の対象から外れるものではありません。歓迎条件に書かれた資格や経験がないことを理由に応募を見送っていた場合、応募先の母数が必要以上に狭くなっていた可能性があります。必須の行だけを抜き出して、そこで外れているかどうかで判断してください。
後者だけが足りていない応募には、書き方を変える余地が残っています。履歴書の職歴欄そのものに迷いがある場合は、履歴書の職歴欄が埋まらないときの書き方も参考にしてください。
判断軸2:直近10社で、1社ごとに書き換えた欄がいくつあるか
応募書類は、全社共通で使える部分と1社ごとに変える部分に分かれます。
| 部分 | 使い方 |
|---|---|
| 学歴・職歴の年月、資格、連絡先 | 一度確定させ、全社で同じものを使う |
| 志望動機欄 | 1社ごとに書き換える |
| 経験の並び順・自己PRの先頭 | 応募職種に近い経験を上に置き換える |
| 書式・体裁 | 応募先の指定があればそれに合わせ、指定がなければ変えない |
志望動機欄を書き換えるときは、文章全体を作り直すのではなく、求人票の仕事内容の行から自分が担当したい作業を1つ選び、それを軸に書き直す形にすると、応募先ごとの違いが出ます。社名を入れ替えただけの文や、他社でもそのまま通る文は削ってください。応募先が変わっても残る自分の事情(働き方の希望や通勤の条件)は、志望動機欄ではなく備考欄や面接での説明に回します。
直近10社のうち、志望動機欄を書き換えたのが何社分あるかを数えてみてください。同じ文面を使い回していた応募が大半なら、形式面を細かく点検する前にここを変える方が先です。逆に、全社分を書き直していて通過していない場合は、書き換えた内容が応募職種とつながっていない可能性があるため、判断軸1に戻って応募先の条件を見ます。
判断軸3:不通過の連絡の届き方を応募先ごとに記録する
書類選考はどこで外れたのかが見えないため、材料は自分で残すことになります。応募日、求人名、応募経路、連絡の有無、連絡までの日数、文面が定型か個別かの6項目をメモしておくと、次に直す場所の見当がつきます。
| 連絡の届き方 | 先に確認する層 |
|---|---|
| 数日以内に定型文の不通過が届く | 応募条件とのずれ |
| 連絡が来ないまま期間が過ぎる | 提出形式・応募経路 |
| 2週間前後で不通過が届く | 書類の中身 |
| 書類は通るが面接で止まる | 書類ではなく面接の準備 |
この表は見当をつけるための目安です。採用担当者の人数や募集の時期によって連絡の速さは変わるため、1件で判断せず、5件以上たまってから傾向を見てください。
書類が読まれる前に止まる提出時のつまずき
書類の中身とは別に、提出の段階で起きるつまずきがあります。読まれる前に止まるため、不通過の連絡すら届かないことがあります。
| 提出方法 | 確認すること |
|---|---|
| メール添付 | 件名に応募職種と氏名を入れる。送信後に自分宛へ同じ添付を送り、開いて中身を確認する |
| 応募フォーム | 送信前に入力欄を上から見直し、自由記述欄が空欄のまま送信されていないか確認する |
| 郵送 | 求人票に記載された宛名の部署名・担当者名をそのまま書き写す |
| エージェント経由 | 提出前にどの求人へ出すかを一覧で確認し、同じ求人を別の経路から重ねて出さないようにする |
ファイル名も確認してください。「履歴書_最新」「履歴書_修正版2」のような名前のまま送ると、どれを見ればよいかが相手に伝わりません。氏名と書類名で統一し、連番や作業中の記録を残さないようにします。
写真を画像で貼り付けている場合は、PDFに変換した後の表示も確認します。変換の過程で位置がずれたり、画質が落ちて顔が判別しにくくなることがあります。撮影した書類の画像を提出する指定がある場合は、自分の端末で拡大し、年月の数字が読めるかを見ます。
書類選考が通らないときのよくある誤解
誤解1:応募数を増やせば通過する
母数が少なすぎると判断の材料がたまらないため、ある程度の数は必要です。ただ、同じ条件で出し続けると同じ理由で外れ続けます。数を増やすときは、条件の幅を1つだけ動かして分散させる方が、どの条件が効いているかを見分けやすくなります。職種を固定して勤務地を広げる、勤務地を固定して雇用形態の指定を外す、といった動かし方です。
誤解2:体裁を凝った方が印象が良くなる
読み手が追うのは、項目が揃っているかと年月がつながっているかです。装飾よりも、応募先が指定した書式・項目を満たしているかを先に確認します。指定の様式が配布されている場合は、そこから項目を減らさないようにします。
誤解3:職歴がないから落ちている
職歴の有無は書類では変えられません。変えられるのは、応募職種に関係する作業が書いてあるかどうかです。アルバイト歴が複数ある場合の並べ方はアルバイト歴が複数あるときの履歴書の書き方、職務経歴書の要否と書き分けは職歴がない場合の職務経歴書の組み立て方で整理しています。
誤解4:不通過の理由を企業に聞けば分かる
選考の理由を開示しない企業もあります。問い合わせても材料が得られない場合があるため、自分の応募記録を残す方が次の判断につながります。
書類選考を立て直す5つの手順
- 直近の応募を一覧にする。応募日・求人名・応募経路・連絡の有無・連絡までの日数の5列で足ります
- 各求人の応募資格を見て、事実で決まる条件で外れていたものに印をつける
- 印の付いた応募が多い場合は、求人の絞り込み条件を見直す。印が少ない場合は4へ進む
- 志望動機欄と経験の並び順を1社ごとに書き直す。書き直す前に応募職種を1つに決める
- 次に出す数社は、条件の幅を1要素だけ変えて分散させる
手順2で印の付いた応募が半分以上ある場合は、書類の書き方を変える作業を後回しにしてください。先に求人の探し方を変えた方が、同じ手間で結果が動きやすくなります。
記録を付ける作業が続かない場合は、項目を減らして構いません。日付・求人名・結果の3項目だけでも、応募した数と不通過の数が分かれば、判断軸1と判断軸2のどちらを先に見るかは決められます。応募を止めて記録の様式を整える方に時間を使うと、応募の間隔が開いてしまうため、記録は走りながら残す形にしてください。
木村誠は、応募先を広げる前に応募記録を整える人の方が、見直す場所の判断が早くなる傾向があると話しています。記録が残っていないと、何を変えたことで結果が変わったのかが分からなくなるためです。
まとめ
- 書類選考が通らないときは、応募条件とのずれ、提出形式、書類の中身の順に確認する
- 求人票の応募資格は、事実で決まる条件と説明で伝わる条件に分ける。前者で外れている応募は書類を直しても動かない
- 1社ごとに書き換えるのは志望動機欄と経験の並び順。学歴・職歴の年月や資格は作り直さない
- 不通過の連絡の有無と日数を応募先ごとに記録し、5件以上たまってから傾向を見る
- 提出の段階では、添付が開けるか、フォームに空欄がないか、ファイル名が判別できるかを確認する
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よくある質問
Q.書類選考の結果はどのくらい待ってから問い合わせればよいですか。
求人票や応募完了画面に結果連絡の目安期間が書かれている場合は、その期間を過ぎてから問い合わせます。記載が見つからない場合は、応募から2週間を一区切りにして、他の応募を進めながら待つ形にすると手が止まりにくくなります。問い合わせ先は企業に直接ではなく、応募に使った経路の窓口に合わせてください。
Q.一度不通過になった企業に再応募できますか。
再応募の可否は企業ごとに決まっており、採用ページや求人票に前回の応募から一定期間を空けるよう書かれている場合があります。記載が見つからない場合は、応募経路の窓口に確認してから出してください。出し直すときは前回と同じ書類をそのまま使わず、応募職種と志望動機欄を今回の応募先に合わせて書き直します。
Q.複数の経路から同じ求人に応募してしまった場合はどうなりますか。
同じ求人に別々の経路で応募すると、企業側で重複と判断され、どちらの応募も選考から外れることがあります。応募先は経路ごとに一覧で管理し、企業名と求人名で重複がないかを出す前に確認してください。重複に気づいた時点で、先に使った経路の窓口に連絡して整理を依頼します。
Q.アルバイトを続けながら応募する場合、連絡がつく時間帯を書いた方がよいですか。
連絡先欄の近くや備考欄に電話がつながる時間帯を1行添えると、面接日程の連絡が行き違いになりにくくなります。書く場合は平日の夕方以降や土日の終日といった幅で示し、応募後にその時間帯を変えないようにしてください。留守番電話の設定と、折り返し先の番号が正しいかもあわせて確認します。