「転職エージェントって、第二新卒でも使う意味があるのだろうか」「エージェントに頼らず自力で進めた方がいいのか」——第二新卒として転職を考え始めると、エージェント活用の判断で迷う方は少なくありません。
登録すると電話が来るのでは、希望と違う求人を押しつけられるのでは、という不安も多く聞かれます。一方で、活用した人の話を聞くと、書類通過率や内定率に明確な差が出ているというデータもあります。
この記事では、第二新卒のエージェント利用実態と活用効果をデータで確認しながら、使うべきかどうかの判断軸と、効果的な活用法を整理します。
第二新卒の転職エージェント利用実態
第二新卒の時期に限定したエージェント利用率
Luther Stickelがマンパワーグループのデータをもとにまとめた調査によると、第二新卒の時期に限定すると、転職エージェントの利用率は70〜80%に達しています。
これは転職活動全体の平均利用率(約30%)の2倍以上であり、第二新卒の転職においてエージェントの利用は標準的な手段になっていることを示しています。
全年代との比較
全年代の転職エージェント利用率が約30%であるのに対し、第二新卒の70〜80%という数字は際立っています。この差を生む背景には次のような要因があります。
- 書類・面接対策のサポートニーズが高い:第二新卒は転職経験が乏しく、プロのサポートへの需要が大きい
- 退職理由の整理が難しい:在籍期間が短い転職には、説明の工夫が必要
- 非公開求人へのアクセス:第二新卒歓迎の非公開求人はエージェント経由でしかアクセスできない場合が多い
多くの第二新卒がエージェントを活用しているのは、こうした実際のニーズに応えてくれるからです。
第二新卒の転職市場全体の動向は、第二新卒の転職完全ガイドで詳しく解説しています。
エージェントを使うか使わないかの判断軸
エージェントが提供する3つの価値
エージェントが提供する価値は大きく3つに整理できます。
1. 情報の非対称性を解消する
求人票に書かれていない情報(採用背景・職場の雰囲気・昇給実績・選考の傾向)をエージェントは把握しています。これにより、入社後のミスマッチを事前に減らすことができます。
2. 選考対策のサポート
書類添削・面接練習・退職理由の言語化など、一人では難しい準備をプロがサポートします。特に第二新卒特有の「短い在籍歴をどう説明するか」という課題に、エージェントは豊富なノウハウを持っています。
3. 年収交渉の代行
自力での年収交渉は難しいと感じる人が多い一方、エージェントは複数の実績をもとに採用担当者と交渉できます。
エージェントを使うべき第二新卒の特徴
以下のような状況にある方は、エージェントの活用が特に有効です。
- 初めての転職で何から始めればよいか分からない
- 書類や面接対策に自信がない
- 退職理由の説明に迷っている
- 年収アップを実現したい
- 非公開求人にアクセスしたい
- 大手企業の第二新卒採用枠を狙っている
自力で進められる第二新卒の特徴
一方、次のような状況ではエージェントなしでも一定の成果が出せます。
- 転職したい業界・職種が明確に決まっている
- 自力で書類を仕上げられる
- 転職先候補企業が具体的に絞れている
- 年収より働き方・環境を優先する場合
ただし、この場合でも年収交渉の段階でエージェントを一部活用することで、条件の改善が期待できます。
第二新卒向けエージェントの実績データ
ケーススタディ:書類選考通過率と内定率
ジップcciが公開している第二新卒向けエージェントの実績データによると、各社の成果は以下の通りです。
ハタラクティブの書類通過率は96%・内定率80.4%・累計支援実績18万人以上という水準です。また、第二新卒エージェントneoは書類通過率94.7%・内定率80%以上・公開求人1万2,000件超・内定実績1万人以上と報告されています。
| エージェント | 書類通過率 | 内定率 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| ハタラクティブ | 96% | 80.4% | 累計支援18万人以上 |
| 第二新卒エージェントneo | 94.7% | 80%以上 | 公開求人1.2万件超 |
一般的な書類通過率(81.5%前後)と比べると、第二新卒特化型エージェントを通じた応募は明確に通過率が高いことが分かります。これは、ミスマッチの少ない求人に絞り込んで応募していることが背景にあります。
年収アップ率と業界別の差
Oriconが行った比較調査によると、第二新卒向けエージェント全体の年収アップ率は61.7%、業界専任型コンサルタントがいるエージェントでは75%という差があります。
同調査では次の点も指摘されています。
「業界専任のコンサルタントによる親身なキャリアカウンセリングを受けられるため、企業の募集背景など、一般公開されていない重要な情報を得ることが可能」
(出典:Oricon)
また、ミライズキャリアが引用したデータによると、レバテックキャリアでは年収アップ率60%・平均アップ額50万円という実績が示されています。
内定までの平均期間
medi-siteの情報によると、エージェント経由での第二新卒の転職は最短2週間で内定を得た事例があります。平均的には1か月前後が目安とされており、十分な準備があれば短期間での内定獲得も現実的です。
エージェント活用で第二新卒が得られる成果
非公開求人へのアクセス
転職サイトに公開されていない非公開求人は、エージェント経由でのみアクセスできます。非公開求人は応募者が殺到しないよう非公開にされているケースが多く、大手企業の第二新卒採用枠もその一つです。
エージェントを使うことで、求人サイトだけでは見えない選択肢が広がります。
書類・面接対策の質
第二新卒の転職で最も難しいのは、「短い在籍歴をどう説明するか」という点です。エージェントは多くの第二新卒の転職を支援してきた経験から、退職理由の言語化・志望動機の組み立て・面接での想定Q&Aの準備という一連のサポートを提供できます。
CAREER FOCUSの調査では、第二新卒が満足したエージェントの条件として次のデータが示されています。
「大手で求人数が多いことよりも、自分のために厳選された、ミスマッチのない選択肢を提示してくれるエージェントが、今の20代から圧倒的に支持されている」
(出典:CAREER FOCUS調査)
同調査では満足したエージェントの条件1位「マッチングの質・丁寧さ」68.4%・2位「担当者の親身な対応」55.1%・3位「面接対策や職務経歴書の添削の充実度」42.6%、一方「求人数の多さ」はわずか18.2%にとどまっています。
量ではなく質のサポートを提供してくれるエージェントが、第二新卒には支持されています。
年収交渉の代行
自分で採用担当者と年収交渉するのは、第二新卒にとってハードルが高い場面の一つです。エージェントは採用企業との関係性と複数の実績データを持っているため、個人では引き出せない条件を交渉できるケースがあります。
前述の通り、エージェント経由での転職では年収アップ率61〜75%・平均アップ額50万円という実績があり、年収改善を目指す第二新卒にとって有効な手段です。
エージェントを効果的に活用するための実践ポイント
複数登録で比較する
1社のエージェントだけに頼ることには、次のリスクがあります。
- 担当者との相性が悪くても逃げ場がない
- 紹介される求人が偏る可能性がある
- 年収交渉の材料となる複数内定が得にくい
2〜3社に登録して並行して進めることで、求人の選択肢が広がり、担当者の質も比較できます。複数の内定を得た上でエージェントを通じて年収交渉を行うことで、交渉力も高まります。
自分の希望を明確に伝える
エージェントを最大限活用するためには、初回面談で自分の希望を明確に伝えることが重要です。
整理すべき項目:
- 転職の目的:年収アップ・やりがい・労働環境改善・業界転換など
- 希望する業界・職種:絞れていなくても候補でよい
- 年収の希望・現年収:交渉の基準を共有する
- 勤務地・勤務形態の条件:リモート可否・転勤不可など
- 転職の時期感:急ぎか・半年後かで選考への優先度が変わる
曖昧なまま進めると、希望に合わない求人ばかり紹介されるリスクがあります。
担当者との相性を見極める
転職エージェントの担当者との相性は、結果に大きく影響します。以下のような担当者は相性が良い可能性が高いです。
- 自分の希望をよく聞いてくれる
- 求人の良い面だけでなく、懸念点も教えてくれる
- 面接後の振り返りフィードバックが具体的
- 押しつけがましくない
逆に「大量の求人を機械的に送りつけてくる」「希望と関係のない求人ばかり紹介される」という場合は、担当者の変更を申し出るか、別のエージェントに切り替えるのが適切です。
CAREER FOCUSの調査では、大手エージェントへの不満として「大量の求人を機械的に送られ、選びきれずに疲弊した」という声が71.6%に達していたことも報告されています。担当者との相性問題は珍しくないため、早めに見極めて対処することが転職活動の質を高めます。
なお、具体的なエージェントの選び方は第二新卒におすすめのエージェントも参考にしてください。
まとめ
第二新卒のエージェント利用率は70〜80%と高く、書類通過率・内定率・年収アップ率でも活用の効果がデータで示されています。
特に以下の3点においてエージェントの価値は大きいといえます。
- 非公開求人へのアクセス:転職サイトだけでは見えない選択肢
- 書類・面接対策のサポート:第二新卒特有の課題に対応したプロのサポート
- 年収交渉の代行:平均50万円アップの実績も
ただし、担当者との相性や紹介求人の質はサービスによって異なります。2〜3社に登録して比較し、自分の希望を明確に伝えた上で活用することが、エージェントを最大限活かすポイントです。
エージェント登録の前に、自分の市場価値を客観的に把握しておきましょう。無料の診断ツールをお試しください。
よくある質問
Q.第二新卒の転職にエージェントは必ず使うべきですか?
必須ではありませんが、初めての転職・書類や面接対策に不安がある・年収交渉をしたい場合はエージェントの活用が有効です。Luther Stickelの引用によると第二新卒のエージェント利用率は70〜80%に達しており、多くの第二新卒がエージェントを活用しています。すでに転職先の業界・職種が明確で自力での応募に自信がある場合は、転職サイトのみでも進められます。
Q.第二新卒向けエージェントの書類通過率と内定率はどれくらいですか?
ハタラクティブでは書類通過率96%・内定率80.4%、第二新卒エージェントneoでは書類通過率94.7%・内定率80%以上という実績が示されています。一般的な転職者の書類通過率(81.5%前後)と比較すると、第二新卒特化型エージェントを通じた応募はミスマッチが少ない傾向があります。
Q.エージェントは何社に登録するのが適切ですか?
2〜3社程度が現実的なバランスです。1社のみでは求人の偏りや担当者との相性問題が生じるリスクがあります。複数のエージェントに登録することで求人の比較ができ、年収交渉でも複数の内定を材料として活用できます。ただし多すぎると管理コストが増えるため、3社程度に絞るのが効果的です。
Q.第二新卒向けエージェントの費用はかかりますか?
第二新卒向けエージェントは基本的に転職希望者側への費用は無料です。エージェントは採用企業から報酬を受け取る仕組みのため、転職者は書類添削・面接対策・年収交渉などのサービスを無料で利用できます。
Q.エージェント経由での転職はどれくらいの期間かかりますか?
medi-siteによると最短2週間で内定を得た事例があり、第二新卒エージェントneoの平均では26日程度とされています。ただし希望条件・志望業界・準備の度合いによって異なり、一般的には1〜3か月が目安です。エージェント活用の有無にかかわらず、転職活動開始前に自分の希望を整理しておくことが期間短縮につながります。