「転職エージェントって、本当に使う意味があるのだろうか」「自分一人でも転職活動はできるはず」——転職を考え始めた20代の多くが抱く疑問です。

登録するとしつこく電話が来るのでは、希望と違う求人を押しつけられるのでは、という不安もよく聞かれます。一方でデータを見ると、エージェントを活用した転職者は非活用者と比べて年収アップ率が明確に高い傾向があります。

この記事では、20代のエージェント利用実態・年収への影響・内定期間・満足度をデータで整理し、使うべきかどうかの判断軸と効果的な活用法を提供します。

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転職AGENT Navi
木村 誠

この記事の著者

木村 誠

人材紹介会社 営業マネージャー/転職の教科書 編集長

転職支援実績 1,500名以上

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20代の転職エージェント利用実態

20代の転職エージェント利用率は3年連続50%超

レバレジーズ「若者しごと白書2025」によると、20代若手正社員の転職エージェント利用率は50.9%で、3年連続50%を超えていることが確認されています。20代の転職活動において、エージェント利用は標準的な手段です。

複数エージェント併用が一般的

転職UPPPの調査によると、20代の約半数がエージェント系サービスを最も利用しており、複数サービスの併用が一般的となっています。

MS-Japan「転職活動で使用するサービス実態調査2024」でも、エージェント利用者の87.3%が複数社を利用しており、5社以上が28.8%・3社が28.0%という分布です。また同調査では、20代の転職活動で最も応募したサービスはエージェント経由が58.3%と過半数を占めています。

年代別の利用傾向の違い

MS-Japanの調査では次のような傾向が示されています。

「20代・30代の『転職エージェント』の利用率が高く、年代が上がるにつれて『自己応募』『スカウト』を利用する方の割合が増えている」

(出典:MS-Japan「転職活動で使用するサービス実態調査2024」)

20代はキャリアの初期段階にあるため、プロのサポートへの需要が高く、年齢が上がるにつれてスカウトや自己応募に移行していく傾向があります。20代のうちにエージェントを積極活用することが、長期的なキャリア構築にもつながります。

転職エージェント経由の転職と年収変化

エージェント利用者の年収アップ率

エイチームライフデザインの調査によると、エージェント利用者の年収アップ率は42.9%(非利用者36.0%)、年収ダウン率は9.9%(非利用者18.3%)という結果が出ています。

指標エージェント利用者非利用者
年収アップ率42.9%36.0%
年収ダウン率9.9%18.3%
平均アップ額88.7万円ー

年収アップする確率が高く、ダウンする確率は約半分——これがエージェント利用の客観的な効果です。

エージェント併用数と年収アップ額の関係(ケーススタディ)

注目すべきは、エージェント併用数と年収アップ額の強い相関関係です。エイチームライフデザインの調査では、エージェントを3つ併用した人のうち「100万円以上アップ」が36.7%に達しました。

状況年収アップ率100万円以上アップ
エージェント非利用36.0%低め
エージェント利用(全体)42.9%ー
エージェント3社併用高め36.7%

CAREER FOCUSのデータでは、20代・第二新卒特化エージェント利用者の年収アップ率は80%・平均上昇額+100万円という実績も示されています。

複数のエージェントに登録することで求人の選択肢が広がり・比較材料が増え・年収交渉の余地が大きくなるという構造が、年収アップ率の向上に直結しています。

年収以外の活動期間データ

年収アップだけでなく、内定までの期間にも活動の効率が影響します。UPPGOの調査(20代476人)によると、内定獲得までの期間は2〜4週間が28.0%・1か月程度18.7%・2か月程度18.7%・3か月程度8.0%・6か月以上13.3%という分布でした。

約66%が2か月以内に内定を得ており、エージェントを活用した場合は早期の内定獲得が現実的な目標になります。

転職エージェント利用者の満足度と評価ポイント

エージェントへの満足度の実態

アシロの調査によると、転職エージェント満足度は「満足」17.3%・「やや満足」36.9%・合計54.1%でした。MS-Japanの別調査ではエージェント満足度67.0%と、調査によってやや差があります。

共通して言えるのは、半数〜7割が満足している一方、残り3〜5割は十分に満足できていないという実態です。この差を生むのがサービス選びと活用の質です。

満足理由・不満理由の傾向

アシロの調査では、最も良かった点の1位は「真摯にサポートしてくれた」22.9%でした。サポートの質が満足度の中心にあることが分かります。

一方、不満のパターンとして多く聞かれるのは次のようなケースです。

  • 大量の求人を機械的に送られる:希望と合わない求人が次々と届く
  • 担当者の知識が浅い:業界・職種に詳しくない担当者に当たる
  • 連絡が頻繁すぎる:登録後の電話・メールが過剰

満足度を上げる要素

moovyの調査では、満足度を上げる要素として「求人数の多さ」56.5%・「求人票の情報量」47.8%・「キャリアアドバイザーの知識と経験」42.0%が上位を占めています。

求人数だけでなく、担当者の専門性と求人の情報量が満足度を左右するため、総合型か特化型かという軸より、担当者の質を重視したサービス選びが重要です。

エージェント経由の転職活動期間

内定までの期間の分布

UPPGOの調査データを改めて整理すると、20代の内定獲得期間の分布は次の通りです。

期間割合
1週間未満2.7%
1〜2週間10.7%
2〜4週間28.0%
1か月程度18.7%
2か月程度18.7%
3か月程度8.0%
6か月以上13.3%

2〜4週間が最多であり、1か月以内での内定獲得は全体の41.4%を占めます。一方で6か月以上かかっている人も13.3%おり、準備の質・希望条件の難易度によって期間は大きく変わります。

早期内定を実現する条件

短期間で内定を得やすい状況には、共通した傾向があります。

  • 転職条件の優先順位が明確:「年収より業種優先」など判断基準がはっきりしている
  • 希望業界・職種が決まっている:エージェントが求人を絞り込みやすい
  • 書類・面接対策の準備ができている:選考ステップが速やかに進む
  • エージェントを複数社使っている:並行して選考が進み、内定獲得が早まる

「いつまでに転職したい」という明確な期限がある場合は、その目標を担当者に明示することで、対応の優先度が上がります。

20代が転職エージェントを選ぶときのポイント

20代・第二新卒特化型と総合型の違い

比較項目20代・第二新卒特化型総合型
対象層20代・第二新卒に特化全年代・全職種
求人数比較的少ない多い
サポートの深さ手厚い・個別対応標準的
年収アップ率80%(CAREER FOCUS)42.9%(全体)
向いている人初めての転職・サポート重視幅広い選択肢が欲しい

方向性が決まっていない段階では総合型で選択肢を広げ、業界・職種が絞れたら特化型に集中するというハイブリッド戦略が効果的です。

複数併用するメリット

前述の通り、エージェントを3社以上併用した場合は100万円以上の年収アップを達成する割合が高くなります。複数併用のメリットをまとめます。

  • 求人の重複・抜け漏れを防ぐ:エージェントごとに紹介求人が異なる
  • 担当者の相性問題を回避できる:合わない担当者に当たっても他で進められる
  • 年収交渉の比較材料が増える:複数の内定で交渉余地が広がる
  • 情報の精度が上がる:複数の担当者の意見を比較できる

現実的なバランスとして、2〜3社程度が管理しやすく効果的です。

エージェントを最大限活用するコツ

  • 初回面談で希望を明確に伝える:条件・優先順位・転職時期を具体的に話す
  • 担当者への率直なフィードバック:合わない求人を「合わない」と伝える
  • 自分の市場価値を事前に把握する:エージェントの言いなりにならず判断軸を持つ
  • 複数社の情報を比較する:1社の担当者の意見を鵜呑みにしない

エージェント利用でよくある疑問への回答

費用に関する誤解

転職エージェントは転職希望者への費用は無料です。エージェントは採用企業から報酬を受け取る仕組みのため、求人紹介・書類添削・面接対策・年収交渉をすべて費用なしで利用できます。

担当者の変更依頼

担当者との相性が合わないと感じた場合、担当者の変更を依頼することは通常のことです。メールや電話で「担当者を変更してほしい」と伝えるだけで対応してもらえます。変更を申し出にくい場合は、別のエージェントに切り替えるのも有効な選択です。

希望と違う求人を紹介された場合

希望と違う求人が続く場合は、担当者に改めて希望条件を具体的に伝え直すことが先決です。「業界は〇〇、職種は〇〇、年収は〇〇万円以上」と数字と言葉で明示することで、紹介精度が上がります。

まとめ

20代の転職エージェント利用率は3年連続50%超と、すでに標準的な転職手段になっています。データが示す通り、利用者は非利用者と比べて年収アップ率が高く、ダウン率が低い傾向があります。特に複数エージェントを3社以上併用した場合、100万円以上の年収アップを実現する割合が高くなります。

一方で、満足度は54〜67%と高くはなく、サービス選びと活用方法が結果を分けます。初めての転職で迷う場合は2〜3社に登録し、自分の希望を明確に伝え、担当者の質を比較しながら進めることが最も効果的なアプローチです。


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Q

よくある質問

Q.転職エージェントの利用は無料ですか?
A.

転職希望者への費用は無料です。エージェントは採用企業から報酬を受け取る仕組みのため、転職者は求人紹介・書類添削・面接対策・年収交渉などのサービスをすべて無料で利用できます。

Q.エージェントに登録したら必ず転職しなければなりませんか?
A.

その必要はありません。情報収集や市場価値の確認だけを目的として登録・面談することも可能です。ただし、転職意思が低いと担当者のサポートが手薄になる場合もあるため、現在の状況と目的を率直に伝えることが有効です。

Q.希望と違う求人ばかり紹介される場合はどうすればよいですか?
A.

担当者に対して希望条件を改めて具体的に伝えることが最初のステップです。それでも改善しない場合は、担当者の変更を申し出ることができます。変更を申し出にくい場合は別のエージェントに切り替えるのも有効な選択肢です。複数社に登録することで、こうした状況のリスクを分散できます。

Q.転職エージェントは何社に登録するのが適切ですか?
A.

MS-Japanの調査ではエージェント利用者の87.3%が複数社を利用しており、3社が28.0%・5社以上が28.8%という分布です。2〜3社程度が管理のしやすさと選択肢の幅のバランスが取れた現実的な数字です。ただし多すぎると対応が追いつかなくなるため、3社程度に絞って使い倒す方が効果的です。

Q.内定までどれくらいの期間がかかりますか?
A.

UPPGOの調査(20代476人)では、2〜4週間での内定が28.0%と最多で、1か月程度と2か月程度がそれぞれ18.7%でした。全体としては2か月以内に内定を得る人が約66%を占めています。準備の質と希望条件の絞り込み具合によって期間は変わります。