「給与明細に固定残業代とあるが、自分の場合は計算が合っているのか分からない」「毎月の残業時間が固定分を超えているのに追加で支払われていない気がする」——固定残業代の仕組みは分かりにくく、正しく支払われているかどうかを自分で確認できている人は多くありません。
この記事では、固定残業代の定義・計算方法・適法要件から業種別の実態・トラブル事例・対処法まで、残業代カテゴリの全体像として包括的に解説します。
固定残業代とは何か
固定残業代の定義
固定残業代(みなし残業代)とは、あらかじめ一定時間分の時間外労働に対する割増賃金を月固定額として支払う制度です。「月25時間分の残業代として◯万円」という形で支給されます。
労働基準法上の位置づけ
固定残業代の法的根拠は労働基準法第37条にあります。同条は使用者が法定労働時間を超えて労働させた場合に割増賃金の支払いを義務づけており、固定残業代はこの割増賃金を事前に固定額で支払う仕組みです。制度自体は違法ではありませんが、一定の要件を満たさなければ無効とされます。
厚生労働省は「モデル就業規則」の中で固定残業代の記載例を示しており、「◯時間分の時間外手当として月◯円を支給する。実際の時間外労働がこれを超えた場合は差額を支払う」という形式を推奨しています。
導入している企業の割合
JIL論文「固定残業代制度に関する調査」によると、固定残業代制度の導入率は企業単位で20.5%・労働者単位で10.4%です。また、平均的な固定残業代額は月51,036円、想定残業時間は24.7時間とされています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 企業単位の導入率 | 20.5% |
| 労働者単位の導入率 | 10.4% |
| 平均支給額 | 51,036円/月 |
| 平均想定残業時間 |
よくある質問
Q.固定残業代が設定されている場合、実際の残業時間がその時間数を超えたら追加で支払われますか?
はい、必ず追加で支払われなければなりません。労働基準法第37条に基づき、固定残業代の想定時間数を超えた労働に対しては差額の割増賃金の支払い義務があります。支払われていない場合は未払い残業代として請求できます。