「自分の固定残業代って、本当に正しく計算されているのだろうか」——給与明細に記載された「固定残業代」や「みなし残業手当」を見て、ふとそんな疑問を抱いたことはありませんか。
固定残業代は仕組みが分かりにくく、実際に働いた残業時間に対して足りているのか、超過分は支払われているのか、自分で検証しにくいのが実情です。中には、本来受け取れるはずの残業代が未払いのまま放置されているケースもあります。
この記事では、固定残業代の法的根拠と正しい計算方法、そして超過分を請求する方法について、厚生労働省の公式見解をもとに解説します。
固定残業代とは何か
固定残業代(みなし残業代)とは、あらかじめ一定時間分の残業代を固定額として給与に含めて支払う制度です。「月20時間分の残業代として◯万円」といった形で支給されます。
この制度の法的根拠は、労働基準法第37条にあります。同条は、使用者が法定労働時間を超えて労働させた場合、割増賃金を支払う義務があると定めています。固定残業代はこの割増賃金を事前に固定額で支払う仕組みであり、制度自体は違法ではありません。
ただし、厚生労働省は通達(基発0731第27号)で次のように示しています。
- 固定残業代は**「何時間分・いくらか」を明示**しなければならない
- 実際の残業時間に対する法定額が固定残業代を上回る場合、差額を支払う必要がある
つまり、固定残業代を支払っているからといって、それを超える残業について支払いを免れることはできません。
固定残業代の正しい計算方法
固定残業代が正しく計算されているかを確認するには、以下の手順で検証します。
ステップ1:1時間あたりの基礎賃金を算出する
まず、月給から固定残業代と除外可能な手当(家族手当・通勤手当など)を差し引き、1時間あたりの基礎賃金を求めます。
1時間あたりの基礎賃金 = (月給 − 固定残業代 − 除外手当) ÷ 1か月平均所定労働時間
1か月平均所定労働時間は、年間所定労働日数×1日の所定労働時間÷12で計算します。一般的には160〜170時間程度となるケースが多いです。
ステップ2:割増率を適用する
残業代の計算には、以下の割増率を適用します。
| 残業の種類 | 割増率 |
|---|---|
| 法定時間外労働(1日8時間・週40時間超) | 1.25倍以上 |