「転職したいけれど、年収が下がったらどうしよう」——20代で転職を考えるとき、多くの人がこの不安を抱えます。
まだキャリアが浅く、実績も限られている20代は、転職市場で年収ダウンしやすいのではないかという心配は自然なことです。しかし、実態はどうなのでしょうか。この記事では、20代転職者の年収変動の実態と、年収を下げないための具体的な対策をデータで整理します。
20代の転職で年収が下がる人の割合
まず、20代転職者全体の年収変動を確認します。
doda「年代別転職時の年収変動レポート2025年度上期版」によると、20代転職者の年収は平均5%増加しており、平均決定年収は2019年比で13%増加しています。また、doda「世代別転職時の年収変動レポート2024年版」でも、20代〜30代は年収アップ傾向にあり、40代は減少傾向という結果が出ています。
つまり、20代は転職市場において比較的年収が上がりやすい世代といえます。
一方で、Asiroの2025年調査によると、20代転職者の約3割は転職後に年収が下がっており、原因としては元の年収が高い企業からの転職・経験のない業界への転職・スキル不足が挙げられています。平均的には上向きでも、一定数は年収ダウンを経験しているのが実態です。
| 年代 | 年収変動の傾向 |
|---|---|
| 20代 | 平均5%増・年収アップ傾向 |
| 30代 | 年収アップ傾向 |
| 40代 | 年収減少傾向 |
20代が年収ダウンしやすい転職パターン
20代でも年収が下がりやすいケースには、共通したパターンがあります。
現職の年収が同世代より高い場合
大手企業や高待遇のベンチャー企業に在籍している場合、転職先の給与テーブルがそれを下回るケースがあります。現職が市場相場より高めに設定されていると、転職でダウンリスクが高まります。
未経験・異業種への転職
やりたいことを追いかけて全く異なる業界・職種に転身する場合、これまでの経験が評価されにくく、基礎的なポジションからのスタートになりがちです。
スキルの言語化ができていない
実力があっても、それを面接や書類で的確にアピールできなければ、正当な評価を得られません。スキルを具体的な成果として数字で示せるかが年収交渉に直結します。
転職エージェントを使っていない
GOLD CAREERの2024年調査によると、約4割が「転職で年収が下がった」と回答しており、年収が上がった人の転職エージェント利用率は年収が下がった人の約2倍だったことが分かっています。エージェントの活用が年収結果に影響している実態があります。
20代の転職市場における年収の実態
20代の転職市場は、他の世代と比べてポテンシャルが評価されやすいという特徴があります。経験よりも将来性・成長意欲・素直さが評価軸になりやすく、スキルが限られていても採用されやすい側面があります。
マイナビ「転職動向調査2025年版」によると、転職後の平均年収は509.3万円で転職前比+22.0万円と、全体的に転職による年収アップが実現しています。
20代が特に年収アップを狙いやすい業界・職種は次の通りです。
- IT・エンジニア職:需要が高く、未経験からでも成長次第で年収アップが見込める
- 営業職(インセンティブあり):成果が直接収入に反映される
- コンサルティング:若手でも裁量があり、成長による早期昇給が期待できる
一方で、サービス業・小売・一部の事務職は業界全体の給与水準が低めで、年収アップが難しいケースもあります。
20代が年収を下げずに転職するための対策
年収ダウンを防ぐために、20代が今すぐ取り組める対策を整理します。
1. 自分の市場価値を把握する
現在の年収が市場相場と比べて高いのか低いのかを知らなければ、適切な交渉はできません。診断ツールや転職エージェントを活用し、客観的な数字で自分の立ち位置を確認しましょう。
2. 転職エージェントを活用する
前述のデータが示すように、エージェント利用者は年収アップの実現率が高い傾向にあります。求人情報の収集だけでなく、年収交渉のサポートという点でも有効です。複数のエージェントを使い比べることで、より多くの選択肢が見えます。
3. 実績を数字で言語化する
「営業成績を改善した」より「前年比120%の売上を達成した」の方が、面接官に刺さります。どんな業務でも、規模・成果・貢献を数値化する習慣をつけておきましょう。
4. 需要の高い業界・職種を狙う
IT・デジタル領域は求人倍率が高く、若手でも高年収が実現しやすい環境が整っています。現職のスキルと近接する領域でデジタル知識を身につけることで、掛け算で市場価値が上がるケースも多くあります。
5. 複数社から内定を得る
1社のみの内定では交渉余地がほぼありません。複数社への応募と内定獲得が、年収交渉の前提条件です。
なお、年代を問わず転職で年収が下がる人の割合については別記事で詳しく解説しています。
まとめ
20代の転職は、他の世代と比べて年収アップを実現しやすいというデータが示されています。ただし、約3割は年収ダウンを経験しており、その多くは事前準備の差によるものです。
自分の市場価値を把握し、エージェントを活用し、実績を言語化すること——これらが年収を下げない転職への最短ルートです。20代のうちに一度市場での自分の価値を確認しておくことは、転職するかどうかに関わらず、長期的なキャリア形成においても意義があります。
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