転職の教科書← 記事一覧公開日: / 更新日:
30代転職30代で年収700万円は可能?上位17.3%の実態と到達条件
「年収600万円に到達した。次の目標は700万円だが、これはどれくらい現実的なのか」——600万円という一定のラインを越えた後、次のステップとして700万円を意識している30代の方に向けて、この記事ではデータで位置づけと到達条件を整理します。
700万円は、600万円(到達率24.9%)と1,000万円(到達率6.2%)の中間に位置します。「到達困難な高所得」でもなく「平均的な会社員の延長線上」でもない、複合的な条件が必要になる中間目標ラインです。

この記事の著者
木村 誠
人材紹介会社 営業マネージャー/転職の教科書 編集長
転職支援実績 1,500名以上
詳細 →年収700万円超はどれくらいの希少性か
給与所得者全体での割合
国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」概要によると次のデータが示されています。
「1年を通じて勤務した給与所得者数は5,137万人で、その平均給与は478万円となっている。」
(出典:国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」)
5,137万人のうち、年収**700万円超は17.3%**です。約6人に1人が到達している水準です。
男女別の到達率
同調査の男女別データでは、**男性の700万円超は25.9%・女性では5.7%**という差があります。男性では約4人に1人が到達していますが、女性では約18人に1人にとどまっています。男性平均587万円・女性平均333万円という年収差が、700万円への到達難易度の差として現れています。
600万円・700万円・1000万円の希少性の比較
| 年収水準 | 到達率 | 約何人に1人 |
|---|
| 600万円超 | 24.9% | 約4人に1人 |
| 700万円超 | 17.3% | 約6人に1人 |
| 700万円超800万円以下 | 5.3% |
Q
よくある質問
Q.30代で年収700万円を超えている人はどれくらいいますか?
A.国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」では、給与所得者全体(5,137万人)のうち年収700万円超は17.3%です。男性に限ると25.9%・女性では5.7%という水準です。600万円超(24.9%)から700万円超(17.3%)への移行で約7.6ポイント減少しており、600万円の次の目標として難易度が上がる水準です。
Q.
あなたの年収、本当に適正ですか?
3ステップの入力で、機会損失額と市場価値が今すぐわかります。
完全無料・登録不要・1分で完了
600万円超(24.9%)から700万円超(17.3%)への移行で約7.6ポイント減少します。この差が「600万円の次の目標として難易度が上がる」ことを示しています。30代の年収600万円の到達条件と比較すると、700万円到達に必要な条件がより限定的になることが分かります。
30代平均から700万円までの距離
30代前半・後半の平均年収との差
国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」の年齢別データと700万円の差を整理します。
| 年齢層 | 平均給与 | 600万円との差 | 700万円との差 |
|---|
| 30〜34歳 | 449万円 | 151万円 | 251万円 |
| 35〜39歳 | 482万円 | 118万円 | 218万円 |
| 全年代平均 | 478万円 | 122万円 | 222万円 |
30代後半(482万円)から700万円まで218万円の差があります。600万円への差(118万円)と比べると、さらに100万円の上乗せが必要です。
年齢別に700万円を超えるタイミング
国税庁のデータでは40〜44歳の平均給与が535万円・45〜49歳で589万円です。年齢だけでの平均値推移を見ると、700万円を年齢平均が超えることは全年代を通じて起こりません。**700万円は「年功序列だけでは到達しない水準」**であり、業種・職種・企業規模・専門性の組み合わせが必要になります。
この差を埋めるために必要なこと
30代の年収を分ける要因と年収アップ方法で解説している通り、業種の選択が年収に最も大きなインパクトを持ちます。700万円という水準では「高年収業種 × 大企業 × 専門性・役職」という複合条件が現実的な道筋になります。
年収700万円の給与構成
賞与なしの場合の月額
700万円 ÷ 12か月 = 583,333円/月
月額約58.3万円の月給は、高年収業種の大企業・専門職でも30代では到達が容易ではない水準です。
平均的な賞与割合での構成
月給 × 16(12か月+賞与4か月) = 700万円
月給 = 437,500円(約43.8万円)
年間賞与 = 43.8万円 × 4か月 ≒ 175万円
ただし実務的には、賞与が月給の4か月を超えるインセンティブ型の報酬設計の企業では、月給50万円+年間賞与200万円(計700万円)という構成も一般的です。
| 給与構成パターン | 月給 | 年間賞与 |
|---|
| 賞与なし | 583,333円 | — |
| 賞与2か月分 | 500,000円 | 1,000,000円 |
| 賞与4か月分 | 437,500円 | 1,750,000円 |
| 賞与6か月分 | 388,889円 | 2,333,333円 |
給与構成から見る到達イメージ
月給50万円(賞与2か月分の構成)というのは、厚生労働省が定義する賞与を含まない月額とは異なります。参考として厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」PDFの35〜39歳電気ガス業月額賃金(賞与除く)が429.6千円・金融保険業419.3千円という水準と比較すると、これらの業種では賞与を加えた年収700万円が現実的な射程に入ることが分かります。
年収700万円の手取りと税負担
給与所得控除の計算
国税庁「給与所得控除」によると、給与収入660万円超850万円以下の給与所得控除は「収入金額×10%+1,100,000円」です。
- 給与所得控除:700万円 × 10% + 110万円 = 180万円
- 給与所得:700万円 − 180万円 = 520万円
600万円の給与所得(436万円)との差が84万円であることも注目点です。年収が100万円増えても給与所得の増加は84万円にとどまります(控除の差16万円が圧縮されるため)。
所得税率の適用範囲
国税庁「所得税の税率」によると、課税所得3,300,000円超6,950,000円以下の範囲に所得税率20%・控除額427,500円が適用されます。
重要な注意点:年収700万円に直接20%を掛けることはできません。給与所得控除(180万円)・基礎控除・社会保険料控除等の所得控除を差し引いた「課税所得」に税率が適用されます。
手取り額の目安
個人の扶養・各種控除によって変わりますが、大まかな目安として、年収700万円の手取りは概ね520〜550万円台になるケースが多いとされています。600万円の手取り目安(450〜480万円台)と比較すると、年収の差100万円に対して手取りの差は60〜70万円程度になります。この差が税・社会保険料の影響です。詳細は税理士等への確認をおすすめします。
700万円に到達しやすい条件
業種による違い
「平均給与が最も高い業種は『電気・ガス・熱供給・水道業』で832万円、次いで『金融業・保険業』の702万円となっている。」
国税庁のデータ(全年代平均)では電気・ガス業(832万円)と金融・保険業(702万円)が700万円超の業種です。情報通信業(660万円)は700万円にあと40万円の水準です。
厚生労働省の30代月額賃金(賞与除く・年代別)は次の通りです。
| 業種 | 30〜34歳月額 | 35〜39歳月額 |
|---|
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 370.5千円 | 429.6千円 |
| 金融業・保険業 | 359.3千円 | 419.3千円 |
| 情報通信業 | 349.8千円 | 390.9千円 |
| 学術研究・専門技術サービス業 | 310.5千円 | 350.2千円 |
注意:国税庁の業種別平均は全年代・全性別の平均であり、30代だけの数字ではありません。厚生労働省の月額賃金は賞与を含まない数値です。
35〜39歳の電気ガス業(429.6千円)や金融保険業(419.3千円)は月額×12で500万円台の概算ですが、賞与4〜6か月分を加えると700万円に近づきます。
企業規模・資本金による違い
同調査によると、**資本金10億円以上の株式会社では平均給与673万円(男性789万円・女性426万円)**です。男性789万円という数字は、大企業の男性平均が700万円を超えている実態を示しています。
一方、**資本金2,000万円未満では403万円(男性488万円・女性277万円)**にとどまります。また個人事業所では266万円(男性305万円・女性248万円)という水準です。
| 企業区分 | 平均給与 | 男性 | 女性 |
|---|
| 資本金10億円以上 | 673万円 | 789万円 | 426万円 |
| 資本金2,000万円未満 | 403万円 | 488万円 | 277万円 |
| 個人事業所 | 266万円 | 305万円 | 248万円 |
大企業(資本金10億円以上)の男性平均789万円という数字は、高年収業種の大企業に在籍できれば700万円が射程に入ることを示しています。
正社員・非正社員の差
同調査では正社員の平均給与545万円・正社員以外206万円という大きな差があります。700万円という目標ラインは正社員としての雇用が前提であり、雇用形態の安定も年収水準の基盤になります。
30代で700万円に到達する道筋(ケーススタディ)
道筋1:高年収業種の大企業に在籍する
最もシンプルな700万円到達の条件は「高年収業種 × 大企業」の組み合わせです。資本金10億円以上の株式会社男性平均789万円というデータは、この組み合わせの実力を示しています。
木村誠が担当する転職相談の中で、30代で700万円に到達しているケースの多くに共通しているのは「高年収業種(電気・ガス・金融・情報通信)の大企業に在籍しながら、専門職または管理職のポジションにいる」という状況です。業種だけでも企業規模だけでもなく、業種 × 企業規模の掛け算が機能していることが特徴です。
道筋2:専門性で市場価値を高める
高年収業種の大企業への転職が難しい場合、専門性の希少化が700万円への別ルートになります。AI・データ・セキュリティ・M&A・特定の法律・財務領域など、需要に対して供給が少ない専門性を持つ場合、業種・企業規模の縛りを超えて700万円レンジでの評価を受けるケースがあります。
専門性が市場価値に転換できるかどうかは、市場価値を客観的に把握する方法を活用して確認することをおすすめします。「自分では当然と思っているスキルが市場では希少」というケースが、30代の700万円到達者に多く見られます。
道筋3:管理職・役職への昇進
管理職への昇進は700万円到達の有力な道ですが、「30代で管理職になれば700万円」という断定はできません。企業・業種によって管理職の給与テーブルは大きく異なり、中小企業の課長職では500万円台にとどまるケースもあります。管理職昇進を目標にする場合は「この会社の管理職の給与水準はいくらか」を事前に確認することが重要です。
道筋4:成果連動型報酬の活用
給与構成の分解で示した通り、賞与やインセンティブが大きい報酬設計の職種では月給が比較的低くても年収700万円に到達するケースがあります。成果連動型の報酬が大きい外資系・投資銀行・一部のコンサルティング職種・成果型営業職では、この道筋が有効です。ただし成果が出ない期間は年収が下がるリスクも伴います。
まとめ
年収700万円という水準をデータで整理すると次の通りです。
- 到達率:給与所得者全体の17.3%(男性25.9%・女性5.7%)
- 600万円との差:到達率で7.6ポイント下(24.9%→17.3%)・年収で100万円上
- 30代との距離:30〜34歳449万円から251万円差・35〜39歳482万円から218万円差
- 給与構成:月給50万円+賞与200万円(賞与4か月弱)というイメージ
- 到達しやすい条件:高年収業種(電気・ガス・金融・情報通信)× 大企業 × 専門職・管理職
700万円は「努力次第で届く」と「複合的な条件が必要」の中間に位置する目標です。600万円到達後に「次のステップとして何が必要か」を考える材料として、この記事のデータを活用してください。
年収700万円の手取りはどれくらいになりますか?
A.個人の居住地・扶養状況・各種控除によって変わるため概算ですが、計算の流れは次の通りです。年収700万円の給与所得控除額は180万円(収入金額×10%+110万円)のため、給与所得は520万円です。そこから基礎控除等の所得控除を差し引いた課税所得が330万円超695万円以下の範囲に入る場合は所得税率20%(控除額42.75万円)が適用されます。社会保険料・住民税も加わるため、手取りの目安は概ね520〜550万円台になるケースが多いとされますが、扶養・各種控除等によって変わります。
Q.30代で年収700万円に到達しやすい業種はどこですか?
A.国税庁のデータ(全年代平均)では電気・ガス・熱供給・水道業(832万円)・金融業・保険業(702万円)が700万円超の業種です。情報通信業(660万円)も近い水準にあります。厚生労働省の30代月額賃金データでも35〜39歳で電気ガス業429.6千円・金融業保険業419.3千円・情報通信業390.9千円が上位です。ただし業種の平均は全年代の数字であり、個人の年収は職種・役職・企業規模によって変わります。
Q.年収700万円の給与構成はどのようになりますか?
A.賞与なしで月給だけで年収700万円を構成する場合、月額583,333円が必要です。賞与4か月分想定の場合は月給500,000円+年間賞与200万円という構成になります。月給50万円という水準は、高年収業種の大企業・30代後半の専門職・管理職では現実的な数字ですが、一般的な企業ではハードルが高い水準です。
Q.年収600万円から700万円への壁は大きいですか?
A.一定の壁があります。国税庁のデータでは600万円超が24.9%・700万円超が17.3%で7.6ポイントの差があります。この差を埋めるには業種・企業規模・職種の組み合わせが600万円到達時より厳しくなります。「高年収業種の大企業」または「専門性の希少化による市場価値向上」という条件が700万円到達のカギになるケースが多くあります。