「自分の市場価値って、いったいどれくらいなんだろう」——転職を考え始めたとき、あるいは現在の年収に違和感を覚えたとき、多くの人が抱く疑問です。
しかし、市場価値は社内評価のように数字で示されるものではないため、自分で判断するのは難しいのが実情です。実際、自分の市場価値を調べたことがある人は22.0%にとどまるというデータもあり、多くの人が把握できないまま日々を過ごしています。
この記事では、市場価値診断とは何か、なぜ診断すべきか、どんな方法があるのかを、公的データを交えながら整理します。
市場価値診断とは何か
市場価値診断とは、労働市場におけるあなたの価値(年収・需要・ポジション)を客観的に評価する仕組みです。経歴・スキル・年齢・職種といった情報をもとに、転職市場で妥当とされる年収レンジや、近い経歴の人がどのようなポジションで活躍しているかを可視化します。
社内評価との違いは明確です。
- 社内評価:特定の組織内における貢献度の評価
- 市場価値:労働市場全体におけるあなたの相対的な価値
社内で高く評価されていても、転職市場では評価されにくいスキルもあります。逆に、社内ではあまり目立たなくても、市場では高需要のスキルを持っているケースもあります。市場価値診断は、この「ズレ」を可視化するためのツールです。
市場価値を診断すべき理由
では、なぜ市場価値を診断しておくべきなのでしょうか。3つの観点から整理します。
理由1:転職での年収アップ/ダウンを左右する
厚生労働省「雇用動向調査」(2024年)によると、転職入職者のうち賃金が増加した人は40.5%、減少した人は29.4%でした。約4割が年収アップ、約3割が年収ダウンという結果です。
この差を生む大きな要因のひとつが、自分の市場価値を正しく把握できているかという点です。市場価値を知らずに転職活動を始めると、低めの提示額をそのまま受け入れてしまったり、本来狙える求人を見落としたりするリスクがあります。
理由2:現年収が適正かどうかを判断できる
国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」によれば、正社員の平均年収は544.9万円、非正規は206.3万円です。また、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」では、一般労働者の平均月収は330,400円と報告されています。
これらの数値はあくまで全体平均にすぎません。自分と同じ年齢・職種・業界の人と比較してどうかを知るには、診断によってより具体的な数字を把握する必要があります。
理由3:現在の転職市場は売り手有利の傾向
doda転職求人倍率レポート2026年1月発行版によると、で推移しています。求人倍率が高いほど企業間の人材獲得競争は激しく、にあります。