「今の会社に居続けて大丈夫だろうか」「転職したら年収は上がるのだろうか」——転職を考え始めると、必ず頭をよぎるのが自分の市場価値という言葉ではないでしょうか。

なんとなく重要だとは分かっていても、具体的にどう調べればよいのか分からないまま、漠然とした不安だけが膨らんでいく。そんな方は少なくありません。この記事では、自分の市場価値を客観的に把握するための具体的な方法を、公的データを交えながら解説します。

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木村 誠

この記事の著者

木村 誠

人材紹介会社 営業マネージャー/転職の教科書 編集長

転職支援実績 1,500名以上

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市場価値とは何か

市場価値とは、労働市場においてあなたのスキル・経験・知識がどれだけの対価で評価されるかを示す指標です。社内評価と混同されがちですが、両者は別物です。社内評価は特定の組織内での貢献度を測るものであり、転職市場では通用しない要素も多く含まれます。

市場価値を構成する主な要素は以下の通りです。

  • 専門スキル:技術力、業界知識、資格など
  • 経験:業務範囲、マネジメント経験、プロジェクト規模
  • 成果:定量的に示せる実績
  • ポータブルスキル:業界を問わず通用する汎用能力

これらが転職市場における需要と掛け合わさり、年収や役職といった具体的な「価格」として表れます。

自分の市場価値を調べる3つの方法

市場価値を把握する方法は複数ありますが、ここでは精度と手軽さのバランスが取れた3つを紹介します。

方法1:転職エージェントとの面談

最も精度が高い方法のひとつが、転職エージェントとの面談です。担当者は日々多くの求人と転職者を見ているため、あなたの経歴に対する現実的な市場相場を提示してくれます。

複数のエージェントに登録し、提示される想定年収レンジを比較することで、より客観的な数値が見えてきます。

方法2:年収診断ツール・市場価値診断サービス

オンラインで完結する診断ツールも有効です。経歴やスキルを入力すると、統計データに基づいた想定年収や類似プロフィールの転職実績が表示されます。

短時間で結果が得られるため、最初のステップとして活用しやすい方法です。ただし、ツールごとにアルゴリズムが異なるため、複数のサービスで比較することをおすすめします。

方法3:求人情報のリサーチ

求人サイトで自分と同等の経験・スキルを求める求人の年収レンジを調べる方法です。地道ですが、業界・職種別のリアルな相場を肌で感じられます。

方法精度手軽さ所要時間
転職エージェント面談高中1〜2時間
診断ツール中高5〜15分
求人リサーチ中中数時間〜

それぞれ一長一短があるため、複数を組み合わせることで精度の高い自己評価ができます。

市場価値を知ることで何が変わるか

市場価値を把握することは、単に転職するか否かの判断材料にとどまりません。

厚生労働省「雇用動向調査」(2024年)によれば、転職入職者のうち賃金が増加した人の割合は40.5%、減少した人は29.4%でした。つまり転職者の4割は年収アップを実現している一方で、約3割は年収が下がっています。この差を生む要因のひとつが、自分の市場価値を正確に把握できているかどうかです。

また、マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)」によると、**正社員の転職率は7.6%**にとどまっています。多くの人が転職に踏み切れない背景には、自分の市場価値への確信が持てないという心理的ハードルがあると考えられます。

市場価値を知ることで得られるメリットは次の通りです。

  • 転職判断の根拠が明確になる:感覚ではなくデータで判断できる
  • 年収交渉の材料になる:現職・転職先双方での交渉力が上がる
  • キャリア戦略を立てやすくなる:不足スキルが見えれば次の一手が決まる
  • 現職に留まる選択肢も合理化できる:転職しないという判断にも根拠が持てる

つまり市場価値の把握は、転職するための準備であると同時に、転職しない判断のための情報でもあります。

なお、市場価値診断の考え方や無料でできる方法は、市場価値診断の基本で詳しく解説しています。

まとめ

自分の市場価値を調べる方法として、本記事では転職エージェント面談・診断ツール・求人リサーチの3つを紹介しました。重要なのは、いずれかひとつに頼るのではなく、複数の方法を組み合わせて多角的に把握することです。

厚生労働省のデータが示すように、転職には年収アップのチャンスがある一方で、約3割は年収が下がる現実もあります。この差を埋めるのが、客観的な自己評価です。

まずは手軽な方法から、自分の立ち位置を確認してみてはいかがでしょうか。


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出典:

  • 厚生労働省「雇用動向調査」2024年(PDF)
  • マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)」